徳島県内3カ所にあるこども女性相談センターが2019年度に対応した児童虐待の相談件数が過去最多の880件(速報値)だったことが県のまとめで分かった。前年度に比べ124件(16・4%)多い。相談件数は近年増加傾向で、最多を更新するのは2年連続。県は「虐待死事件が全国で相次いでいることで社会的関心が高まり、通報や相談が増えているのではないか」とし、専門職員を増員するなど対応を強化する。

 相談内容で一番多かったのは、罵倒や叱責、目の前で配偶者に暴力を振るう「面前DV」といった「心理的虐待」で340件(前年比14件減)。他のきょうだいに対する虐待を見せるなどした行為もあった。

 次に多かったのが「身体的虐待」で303件(67件増)。ネグレクト(育児放棄)226件(64件増)、性的虐待11件(7件増)と続いた。いずれも過去最多。身体的虐待では首を絞めるなどして診療が必要となるケースが複数あった。ネグレクトは幼い子どもだけで夜間に留守番させたり、体調不良でも病院に連れていかなかったりした。

 被虐待児の年齢は小学生が307件で最も多く、3~6歳児が213件、0~2歳児140件など。虐待者は実母396件、実父382件。義父が72件、義母も9件あった。

 虐待を把握した経路は「警察」が332件と最も多く、前年の278件から54件増えた。県と県警が19年3月に「虐待の対応における覚書」を交わし、定期的に情報共有したのが主な要因とみられる。他は▽家族・親戚111件▽学校106件▽近隣者・知人85件―などだった。

 今年3月には新型コロナウイルスの影響で休校となり、児童が家で過ごす時間が増えた。国は週に1回程度、児童の安全確認をするよう学校や福祉機関に通達。各家庭に連絡を入れるなどした関係者が異変に気付き、センターへの相談につながったケースもあったという。

 県は本年度、児童福祉司を4人増員しており、来年度も新たに6人を採用する予定。次世代育成・青少年課は、新型コロナの影響で虐待が増える恐れがあるとして「近隣家庭など、身近にいる子どもの異変に気付いたらすぐに連絡してほしい」と話している。