飛沫防止の間仕切りを設置している美容室=鳴門市撫養町南浜のHAIRZ本店

 新型コロナウイルスの影響で、徳島県内の美容室が厳しい経営を強いられている。顧客の足は戻りつつあるものの、3密が懸念される結婚式やイベントの延期・中止が相次ぎ、着付けなどの仕事が減少。客と近距離で接するため、感染再拡大に伴うさらなる客離れも懸念される。経営者は感染リスクの回避に細心の注意を払いながら、早期の収束を願って営業を続けている。

 鳴門市などに6店舗を構えるHAIRZ(ヘアーズ)では、4~6月の売り上げが前年比でブライダル部門が85%、ヘアメーク部門が15~20%減少した。この間に予定されていた結婚式は秋以降に延期され、大岩秀子社長は「前撮りの仕事だけはもらえ、式のキャンセルがほとんどないのが救い。でも、感染第2波が来れば再延期はないかも」と表情を曇らせる。

 外出を自粛して自宅で髪を切ったり染めたりする人が増え、来店までの期間が延びた。客足は持ち直しつつあるものの、「会合や発表会などのイベントは今も少なく、女性が着飾る機会は減ったまま。店にとっては大きな痛手だ」と大岩社長。

 各店舗ではアクリル板で座席を仕切り、複数の空気清浄機を稼働させる。客が入れ替わるたびに美容機器を消毒して応対する。収入が減る半面、新型コロナ対策のコストは膨らむ一方だ。

 タケジ美容室(徳島市)も、結婚式の延期や催しの取りやめで打撃を受けている。同市の阿波踊りが中止となり、有名連の連員や見物客ら数十人分の着付けの仕事も見込めなくなった。

 谷口シズエ代表取締役は「書き入れ時なのに残念。苦しい状況がいつまで続くか分からないけれど、感染防止策は徹底する」。空気清浄機の数を増やし、第2波に備えて検温器も注文した。

 県内に7店舗を展開するヴォーグは、4月の客数が前年に比べて3割減った。それでも感染予防を最優先に、インターネット予約の際は発熱や体調不良、過去2週間以内の渡航歴の有無を聞き、該当者には予約を取りやめてもらっている。

 店内では髪を切る間も客はマスクを着用できる。系列店のVANCOUNCIL(ヴァンカウンシル)徳島店(徳島市)の福井拓也店長は「マスクをしていても会話を気にする人はいる。感染の状況次第では、必要以上の会話を禁止するようスタッフに求めることになるだろう」と話す。

 県内993店舗が加盟する県美容業生活衛生同業組合の原恒子理事長は「業界から感染者を絶対に出せない。『3密にしない』を合言葉に、衛生管理に力を入れたい」と強調した。