インターネットサイトでのチケット転売を巡り、三好署が愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)を誤認逮捕した事件で、詐欺の疑いで書類送検された京都市の中学3年の少女(15)が、短文投稿サイト・ツイッターで成り済ましのための複数のアカウントを使い、犯行直後に削除したとみられることが13日、捜査関係者への取材で分かった。このため三好署は、同サイトに「チケットを譲る」と虚偽の書き込みをした人物が特定できず、誤認逮捕を招く要因の一つになった。
アカウントはネット上のサービスを利用する際、個人を特定するための登録情報。捜査関係者によると、少女は昨年8月17日、複数のアカウントを使ってツイッターに「人気アイドルグループ『関ジャニ∞(エイト)』のコンサートチケットを譲る」と虚偽の書き込みをした。
県警の調べに、少女は「(徳島県内の女子高校生ら)購入を希望してきた2人にチケット代の振り込みを求めた後、その日のうちにアカウントを削除した」と供述しているという。
女子高校生が三好署に「チケットが届かない」と被害届を出したのが同年9月下旬。三好署はツイッター運営会社に複数回、履歴などを照会したが、アカウント削除から1カ月が過ぎていてサーバーに記録が残っていないことなどを理由に、回答を得られなかった。
被害者の女子高校生は、ツイッターでのやりとりを自身で記録しており、専門学校生の名前を記したメッセージが残っていた。実際に女子高校生の支払ったチケット代が専門学校生の口座に入金されていたこともあって、三好署はツイッターでの成り済ましを想定せず、専門学校生の誤認逮捕に至ったという。
専門学校生は今年5月15日に逮捕された後、6月2日まで19日間勾留され、処分保留で釈放された。県警のその後の捜査で、中学3年の少女が専門学校生に成り済まして虚偽の書き込みをしていたことが分かり、誤認逮捕だったことが判明した。