健康管理のカレンダーなど農家に配る備品を確認する事務局員=三好市池田町の「そらの郷」

 都市部の中高生らが農業体験などを行う徳島県西部での教育旅行の申し込みが増えている。長時間の移動による新型コロナウイルスの感染リスクを減らそうと、これまで実績の少なかった比較的近距離の関西圏の学校が訪れるようになったのが理由。ただ、民泊を受け入れる農家の間には感染を懸念する声もあり、誘致に取り組む一般社団法人「そらの郷」(三好市)は対策強化を急ぐ。

 県西部ではそらの郷が窓口になり、毎年25校前後の教育旅行を受け入れている。今年は春までに28校の申し込みがあり、緊急事態宣言が全面解除された後の5月末からさらに増えた。6月末時点で、本格的に誘致を始めた2008年度以降最多の37校、約4600人が訪れる予定で、8月下旬から受け入れる。

 要因は、新型コロナの影響で旅行誘致を図る他地域の団体が一時受け入れを中止したり、移動時間を短縮するため学校が旅行先を変更したりしたこと。この結果、奈良や滋賀などこれまで実績の少なかった関西圏からの申し込みが伸びた。

 一方、地元には不安もある。民泊先の農家の平均年齢は70歳前後で、高齢者や持病がある人への感染を心配して受け入れを迷う農家が登録者の約半数に上るという。

 そらの郷の事務局は、学校側に生徒の体調管理表の提出を求めるほか、農家には非接触型の体温計を配り、感染症対策のセミナーを開くなどして不安の払拭に努めている。現時点では受け入れに支障はないが、例年より日程が過密なため、受け入れ先を増やしたいとしている。

 担当者は「受け入れ側は屋外での体験を増やし、学校側は来県前の行動を自粛するなど、感染防止への協力を求めている。対策を徹底して教育旅行の質を上げたい」としている。