川平監督のメッセージを真剣なまなざしで受け取る部員=鳴門オロナミンC球場

 新型コロナウイルス感染症の影響で、今夏の全国高校野球選手権徳島大会が中止となり、代替大会として実施される「徳島県高校優勝野球大会」が12日に開幕。熱戦を繰り広げている。甲子園という大きな目標は失ったが、これまで積み上げてきた成果を一投一打にぶつける球児たち。間近で接してきた監督たちは試合後の最後のミーティングで選手たちをねぎらい、新たな一歩を踏み出す背中を押す。「監督からのラストメッセージ」。切実な汗、後悔交じりの整列、抑えきれない涙、感謝の笑顔。いつもと変わらない夏が、そこにある。

 自分に問いかけるような口調で、那賀・川平伸也監督は言った。「このままメンバーが2打席で終わってしまうのかなあ。またコールド負けしてしまうのかな」。悔しさを隠しきれなかった。

 徳島商に5回コールド、16失点。「先生は、もう少し食らいついてほしかった」とあえて厳しい言葉をかけた。勝敗や野球の技術ではなく、精神的強さの大切さを伝えたかった。逆境や厳しい状況でも、勝負しなければならない場面は必ずあるからだ。

 指揮官は人の生き方を花に例え、部員の今後に期待を込めた。「同じ時期に種をまいても咲く花は大小あるし、早い遅いもある。人もそうだ。早く成功する人もいれば遅くに認められる人もいる。これからの人生で花は咲くと信じて学校生活やこの先の目標に向かっていってほしい」。最後まで戦った選手たちへの山のようなねぎらいを、エールに込めた。