大型の台風18号は17日午前11時半ごろに鹿児島県南九州市付近に上陸し、午後5時ごろに高知県宿毛市付近に再上陸、徳島県内を通過した。県内は午後6時ごろ、ほぼ全域が風速25メートル以上の暴風域に入り、激しい風雨に見舞われた。土砂災害の危険性が高まるなどしたため、一時、8市町6万1982世帯の14万599人に避難勧告が出された。
徳島地方気象台は、県内のほぼ全域に大雨、暴風警報を、沿岸部に波浪警報を発令。徳島市や那賀町など16市町村に土砂災害警戒情報を出して注意を呼び掛けた。
徳島市災害対策警戒本部などによると、同市南末広町のイオンモール徳島で午後4時40分ごろ、買い物客の女性(77)が店舗から外に出た際に強風にあおられて転倒し、左肩を強く打った。同市内の病院に運ばれたが、骨折する重傷を負ったとみられる。
雨は午後2時ごろから県南部を中心に激しく降り始めた。県の雨量計では、那賀町小浜で午後4時50分までの1時間に88ミリ、神山町神領では同4時40分までの1時間に78ミリを観測した。気象台によると、降り始めの16日午前1時から17日午後10時までの総雨量は▽上勝町福原旭239・5ミリ▽那賀町木頭出原223・0ミリ▽つるぎ町半田182・5ミリ―などとなっている。
阿南市蒲生田では17日午後5時44分、9月としては観測史上最大の最大瞬間風速32・0メートルを記録。徳島市で同6時50分に35・5メートル、美波町日和佐で同6時13分に31・0メートルの最大瞬間風速を観測した。
各地の河川が増水し、午後8時時点で、ほたる川(吉野川市)と園瀬川(徳島市)で氾濫の危険性について注意喚起する避難判断水位を超えている。助任川(同市)では午後7時前に助任川河岸緑地が冠水した。
避難勧告は午後10時時点で、徳島市やつるぎ町など6市町で継続。松茂町を除く23市町村の公民館などに最大341世帯441人が避難していた。午後10時時点で18市町村で270世帯355人が避難している。
台風は17日午後10時現在、兵庫県明石市付近を時速55キロで北東に進んでいる。中心気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで、中心の南東側190キロ以内と北西側130キロ以内は風速25メートル以上の暴風域。速度を上げながら北東に進んで日本海に抜け、19日にはオホーツク海で温帯低気圧に変わる見通し。