徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第3回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の1次選考を通過した28作品が決まった。8月下旬、大賞の阿波しらさぎ文学賞などが発表される。

 内訳は県内9点、県外19点で、作者の最年少は16歳、最年長は72歳だった。阿波踊り、四国遍路、徳島ラーメン、スダチ、モラエスなど、おなじみの要素が盛り込まれていた。

 最終選考委員は芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さん、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)、徳島新聞社の岡本光雄理事の4人。

 阿波しらさぎ文学賞は、徳島の地域活性化や書き手の発掘を目的に2018年に創設。3回目の今年は6月まで全国公募され、41都道府県から過去最多の465点の応募があった。徳島文学協会により1次選考が行われた。

 阿波しらさぎ文学賞には賞金30万円、徳島県在住者および出身者から選ぶ徳島新聞賞には10万円、25歳以下を対象にした徳島文学協会賞には3万円が贈られる。受賞3作品は徳島新聞紙上と徳島新聞電子版に全文が掲載される。来春、発行される徳島文学協会の文芸誌「徳島文學」にも転載される予定。

1次選考通過作品と作者

 「第3回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の1次選考を通過した作品と作者は次の通り。 (順不同、敬称略)

 「うたかた」高田九円(神奈川県)▽「去年の桜」三浦みなみ(吉野川市出身)▽「溺死ロック」洛田二十日(東京都)▽「私は今日まで生きてみました」北迫薫(東京都)▽「かったい道の木偶まわし」菊野啓(徳島市)▽「空白からそれぞれの永遠が開かれるまで」洸村静樹(埼玉県)▽「巻き貝眉毛砂の体」笠井カヤナ(埼玉県)▽「1-3(さんぶんのいち)」黒津正博(徳島市)▽「ジョン」五十嵐壮人(大阪府)▽「旅」北原由登(徳島市)▽「No place for young men」幸田羊介(鳴門市出身)▽「ミッション・ヴォルテックス」小林猫太(新潟県)▽「檻」なかむらあゆみ(徳島市)▽「朝顔と三味線と、そしてスダチ」和泉真矢子(兵庫県)▽「夢見る約束」川西晴登(阿南市)▽「引力」海坂恵(東京都)▽「ぞめき立つ冬」藤城孝輔(岡山県)▽「虹のうず、青のうず」張文經(東京都)▽「石になる」宮月中(徳島市)▽「いのちの水面」日隅すずり(香川県)▽「ちちぢち」蜂本みさ(京都府)▽「羽の胎児」末素生児(大阪府)▽「あまいがきらい!」蕪木Q平(神奈川県)▽「牛打ち坊」宮地辰明(徳島市)▽「Ta―p―ca―a―ra―i―que tick!」大崎新(鳥取県)▽「水と話した」冬乃くじ(東京都)▽「子泣き爺に魅せられて」益岡和朗(埼玉県)▽「開かれた未来」金村亜久里(神奈川県)