写真を拡大 工藤昌美さん、工藤典子さん。見晴らしのいい急勾配の畑で多品種の野菜を育てている。

工藤昌美さん(64・三好市出身)

工藤典子さん(63・三好市出身)

 小鳥たちが競うように歌声を響かせている。ヤマガラ、ウグイス、シジュウガラ…鮮やかな調べに心が弾む。歩危農園は標高320mの高台にある農家民宿。道の駅大歩危から車で約5分、ヘアピンカーブを3回ほど曲がるとたどり着く。「景色が全然違うでしょ」とご主人の工藤昌美さん。敷地からは立派な山々に囲まれた大歩危の大自然を一望に収める。

 工藤さんの前職は公務員。長年携わってきた過疎対策や地域活性化に繋がる仕事がしたいと55歳の時に早期退職。子ども部屋だった2階を客室にし、妻の工藤典子さんとともに民宿を始めた。目の前は段々畑になっており、トマトにピーマン、ズッキーニと30種類ほどの野菜を自家栽培。3日前までに予約してリクエストしておけば、夕食に使う野菜を畑で収穫できる。お土産にしたい場合は時価で買い取りも可能。「10年民宿をやってきて都会の人との交流が生まれました。リタイアされた夫婦やラフティングや山登りにいらした方、夏休みは子ども連れの家族…全国からいろんな方が泊まってくれました。毎年欠かさず来てくれるお客さんもいて、毎回見晴らしがいいからと和室を選んでくれます」と昌美さん。

写真を拡大 夕食に登場する「ひらら焼き」。祖谷豆腐で土手を作って味噌を敷き詰め、その上で具材を焼く。

 夕食は屋根つきのBBQスペースで景色を眺めながら。メインの「ひらら焼き」は大歩危・祖谷地方に伝わる郷土料理で、岩を切り出した石板を炭火で熱し、採れたての野菜、アメゴ、鶏肉などを自家製味噌と絡めて焼きあげる。ナスのたたきやゼンマイとタケノコの煮物、天ぷら、そば米汁など山の幸をふんだんに使ったお手製の小鉢もズラリ。どれも優しい味つけで丁寧に作られているのが伝わってくる。典子さんは「お父さんと私が作った野菜や、この山で採れるものでおもてなしをすることを大切にしています。それが、ここでしかできない唯一のことだから」と目尻を下げる。食事はひらら焼きの代わりに、手作りの石窯でピザ焼き体験(3日前までに要予約)に無料で変更できる。人懐っこい野鳥のヤマガラを呼び寄せたり、ほら貝を吹いてこだまさせたり、山の上ならではの遊びも工藤さんが伝授してくれる。

写真を拡大 風が心地いいBBQスペース。緑いっぱいの山の景観に癒される。

料金
1泊2食つき1人7000円
1泊夕食つき1人6000円
1泊朝食つき1人4500円
素泊まり1人3500円
(最大10人宿泊可)

体験メニュー
石窯ピザ焼き体験2500円(食事のみの場合)、ひらら焼き体験2500円(食事のみの場合)、収穫体験(野菜は時価)、かずら細工体験2000円(材料費込)など。3日前までに要予約。

住所=三好市山城町上名1938
0883-84-1273(宿泊は前日までに、体験は3日前までに要予約/当面の間は1日1組のみの受付)
チェックイン 15:00〜
チェックアウト 10:00

駐車場:あり
キッズスペース:なし    
多機能トイレ:なし
開設:2011年    
Wi-Fi:あり