夏と言えば、暑気払いのホラー映画。8月は「真夏のホラー祭り」と題して、4週連続でホラー映画を紹介する。第1弾は、恐怖シーンの連続で背筋を凍らせてくれる「フッテージ」(2012年、スコット・デリクソン監督、イーサン・ホークら出演)だ。

(c)2012 Alliance Films (UK) Limited

 作家のエリソンは新作執筆のため、家族と共に一家首つり殺人事件の現場となった家へ引っ越してきた。程なく屋根裏で5本の8㍉フィルムを発見。それらには首つり殺人に加え、時代も場所も異なる別の一家殺害事件の様子が映っていた。事件の謎に取りつかれるエリソンの周囲で異変が起こり始める。

 一家が首をつられ死んでいく様子を淡々と映し出した冒頭シーンに始まり、全編に織り込まれたドキュメンタリー風のざらついたフィルム映像がリアルかつ効果的だ。殺人シーンを淡々と生々しく描写しており、巧みに恐怖心をあおっている。

(c)2012 Alliance Films (UK) Limited

 フィルムを手掛かりに謎を追うミステリーも見応えがある。殺された一家から1人だけ姿を消した子どもの行方、他の一家惨殺事件との関連性、そしてフィルムに映った不気味な人影-。真相を巡り、随所にちりばめられた伏線が見る者の興味を引き付ける。

 終盤は一転して、主人公が絶望的な状況に陥るオカルト的な展開へとノンストップで突き進んでいく。衝撃的なラストシーンも用意されており、ミステリーとオカルトという二つの要素も融合した本格ホラーに仕上がっている。(記者A)

【記者A】映像ソフト専門誌編集者、フリーの映画ライターを経て徳島新聞記者を務める。映画関連記事の編集や執筆、インタビュー、ロケ現場の取材などに長年携わり、1年間で365本鑑賞した年もあるなど、映画をこよなく愛する。

 

ブルーレイ版1800円/DVD版1200円(税抜き、発売・販売元 ハピネット)