7月に練習を再開したNPO法人・TPSチアリーディング部。両手を広げて周りの人と間隔を取っている=藍住町民体育館

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、さまざまな社会活動に取り組む徳島県内のNPO法人に収益悪化や事業の中止などの影響が出ている。県のアンケートでは、回答した法人の半数以上が経営への不安を吐露。会員や利用者の減少で法人の存続を危ぶむ声も上がっており、関係者は危機感を募らせている。

 徳島市中心部の籠屋町商店街で子育て支援施設・すきっぷなどを運営している「子育て支援ネットワークとくしま」。2月末以降、県北部の自治体で開く「移動子育て広場」や赤ちゃんと児童生徒が触れ合う出前講座、J2徳島ヴォルティスのホームゲームでの託児事業など、約10件の収益事業が全て中止になった。

 松﨑美穂子理事長(61)によると、すきっぷの運営費は市からの委託費の不足分を収益事業で補っている。早期に国の持続化給付金を申し込めたため、ひと息つくことはできた。しかし、感染収束の兆しが見えない中、全ての収益事業が元通り再開されるか見通しは立たない。「このままでは運営を維持できない。新しい収益事業を探さないと」と不安を口にする。

 子どものチアダンスで地域イベントやスポーツ行事を盛り上げる「TPSチアリーディング部」(徳島市)の盛輝実理事長(45)は「量販店やイベントでの出演予定が3月以降、全て白紙になった」と肩を落とす。休止していたダンス練習は、密接を避けるため年齢別に2クラスに分けて7月に再開したが、出番がなくなったことで意欲を失い、引退してしまったメンバーも数人いるという。

 盛理事長は「練習の成果を見せられないと子どもたちも楽しくないだろう。動画配信など密にならない発表方法を模索しなければ」と話した。

 県が6月中旬に県内362法人を対象に行ったアンケートによると、回答した109法人のうち、経営に影響が「現在出ている」または「今後出ると思う」と答えたのは61・5%に当たる67法人。影響の内容は、複数回答で51法人が「事業収益の減少」を、41法人が「顧客や利用者の減少」を挙げた。

 県内NPO法人の活動を支援するとくしま県民活動プラザ(徳島市)の新居正志事務局長(60)は「国や県などの給付金制度について改めて周知するほか、3密を防ぎながら事業を続けるためのインターネット活用講座を開くなどして援助したい」と話している。