4月22日のホーム・讃岐戦の試合終了直後、ピッチ上で「顔を上げ、切り替えて行こう」と選手を鼓舞した徳島ヴォルティスのリカルド・ロドリゲス監督。28日の横浜FC戦に向けて練習に励むチームの様子を「ここまではいいと思う」と感触を語った。

讃岐戦後、選手を鼓舞するリカルド・ロドリゲス監督=4月22日、鳴門ポカリスエットスタジアム

 讃岐戦は、終始主導権を握り、シュート数など内容でも圧倒しながら、ゴールポストやクロスバーに何度もはじかれ、無得点に終わった。相手には、わずかな決定機を決められての敗戦という厳しい試合結果を受け、指揮官はすぐに行動を起こした。

 ピッチ上に選手・スタッフを集めて声を掛けた。異例の行動に至った経緯を「この前の敗戦はかなりショックだった。ただ、そういうときにこそ監督が前に立って励まし、矢面に立ってやっていかないといけない」と明かした。試合後、ゴール裏のサポーター席からはブーイングが起こっていた。そのサポーターたちへのあいさつでは、普段は選手と同じ列にいることが多いリカルド・ロドリゲス監督がこの日は選手より一歩前に立っていた。しっかりと顔を上げて。

サポーターの前であいさつするリカルド・ロドリゲス監督=4月22日、鳴門ポカリスエットスタジアム

 勝利から遠ざかっているここ5試合、多くの数字で相手を上回っていることもあり「もうちょっとふさわしい結果(勝利)が得られたんじゃないか」と話す。ただ、思ったように勝ち点を積み上げられていない。「選手たちが、自信をなくさないように、しっかり励まして、顔を上げて、自信を持って臨めるようにやる必要があるかなと」と思いを語った。

 ゴール前でのフィニッシュの精度、失点を許した守備など「改善しなければならない点はある」としながらも、勝利を挙げた大宮、甲府戦と比べても決定機の回数は増え、攻撃の幅も広がった。「多くのチャンスをつくれている。チームは成長している」と、試合内容は良くなっている点を強調する。その上で「内容がしっかりと結果に反映するように、このままやっていけば順位が上がっていくと思うので、敗戦後にすぐ話をして、(今週は)取り組んできた」と話す。

 良いパフォーマンスを維持し、結果へと変えていくために、メンタル面の重要性を挙げる。「ネガティブな気持ちを持って戦うとやれることもできなくなってしまう。毎日のモチベーションをしっかりキープしていけるように。あとは自信をなくさないようにしなければならない」と指摘する。

リラックスした様子で練習メニューをこなす徳島の選手たち=4月26日、徳島スポーツビレッジ

 そして、もう一つ挙げたのが一人一人の自覚。「キャプテンだから、監督だからと、リーダーがやっていくだけじゃなく、そこは1人1人が自覚してやらなければいけない」。その結果として「個人の成長、そしてチームの成長につながっていく」とする。「しっかりと順位を上げていけるよう全員が協力し合って、絶対このパフォーマンスを続けていけば、もっと勝ち点を獲得できる」。選手も力強い言葉を受け、勝利に向けて準備を進めている。