徳島自動車道の新山トンネルでトラックと衝突したワゴン車=2019年12月11日、三好市池田町

 昨年12月、徳島県三好市池田町シンヤマの徳島自動車道・新山トンネルで、6人が乗ったワゴン車がセンターラインをはみ出して大型トラックと正面衝突し、2人が死亡、5人が重軽傷を負った事故で、ワゴン車の右後輪タイヤが摩耗によって走行中に破裂し、制御不能に陥っていたことが3日、県警への取材で分かった。県警は同日、タイヤの点検を怠ったなどとして自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、事故で亡くなったワゴン車の男性運転手=当時(35)、高知県須崎市=を容疑者死亡のまま徳島地検に書類送検した。

 県警が依頼した専門機関による鑑定の結果、空気圧が不足した状態で高速走行することで、タイヤがたわんで破裂する「スタンディングウエーブ現象」の発生が指摘された。県警などによると、ワゴン車のタイヤは使用開始から10年以上経過していたとみられ、古くなったタイヤは摩耗や空気圧の低下で破裂しやすいという。

 県警は鑑定結果や同乗者の供述を踏まえ、事故直前に右後輪タイヤが破裂したと認定。破裂によりワゴン車は制御不能となり、センターポールやトンネルの擁壁に接触した後、センターラインを飛び出してトラックと正面衝突したとみている。

 また、ワゴン車は事故直前、制限速度を約40キロ超える時速110キロで走行。点検義務違反に加え、速度違反でトラックの男性運転手やワゴン車の同乗者5人を死傷させたとしている。

 ワゴン車は、太陽光発電システムの販売や施工を手掛ける高知県香美市の会社が所有。同社は当時13台の車を所有していたが、道交法で5台以上の車を有する会社に義務付けられた安全運転管理者を置いておらず、県警は同法違反の疑いで同社と社長(52)も書類送検した。