ポスターや資料の前で高畑勲監督との思い出を語る藤本さん(左)と阿佐さん=徳島市立木工会館

 5日に82歳で亡くなったアニメーション映画の巨匠高畑勲監督ゆかりの品々を紹介する「高畑勲追悼映画資料展」が26日、徳島市立木工会館で始まった。初日は、1992年に貞光町(現つるぎ町)の貞光劇場で開かれた「高畑勲映画祭」を手掛けた出品者2人のトークショーがあり、来場者は高畑監督の思い出話に聞き入った。

 貞光劇場館主の藤本一二三さん(86)と、映画祭主催団体の代表でつるぎ町商工会長の阿佐哲也さん(61)が登壇。阿佐さんは、高畑監督が二層うだつの町並みを訪れ、目に焼き付けていた様子に触れ「細かな描写をする人は普段から物をよく見ていると思った」と話した。藤本さんは、高畑監督が地元の小学校で出前授業したことを思い出し「子どもへの愛着や、教育への熱心さが伝わってきた」としのんだ。

 資料展は藤本さん、阿佐さんと、鳴門市の映画資料収集家・西口泰助さん(74)が協力。映画祭の上映作品だった「アルプスの少女ハイジ」「おもひでぽろぽろ」や、徳島ゆかりの「平成狸合戦ぽんぽこ」のポスターをはじめ、高畑監督の写真、サインなど45点が出品されている。5月6日まで。無料。