存続の危機に見舞われている「金長神社」=小松島市中田町脇谷

 小松島市のシンボル・金長狸(だぬき)を祭る同市中田町脇谷の「金長大明神」(通称・金長神社)が存続の危機にある中、徳島市出身のオカルト作家山口敏太郎さん(51)が28日午後7時から、小松島市松島町の地蔵寺で「世界の金長狸を語る」と題して講演する。神社を取り壊さず、地域資源として活用する方法などについて意見を交わす。

 山口さんは妖怪や心霊スポットなどに詳しく、「マンガ・アニメ都市伝説」(ベスト新書)など著著多数。テレビの深夜番組などでコメンテーターとしても活躍している。講演では、全国各地で地域に伝わる妖怪や怪奇譚(たん)を生かした町おこし事例を紹介する。

山口敏太郎さん

 金長神社は5日に亡くなったアニメ監督高畑勲さんが手掛けた長編アニメ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994年)の舞台になったことでも知られる。山口さんは「この神社は国内外から注目を集められる場所。地域の人に重要性を伝え、保存の機運を高めたい」と話している。

 住民団体「金長神社を守る会」会員で、東阿波ケーブルテレビ社長の樫原敏之さん(60)が依頼。神社存続を巡る議論を心配していた山口さんが快諾した。講演は予約が必要で無料。駐車場が少ないため、公共交通機関の利用を呼び掛けている。