天下分け目の「関ケ原合戦」関連本が並ぶ特設コーナー=小松島市日開野町の平惣小松島店

 天下分け目の戦い「関ケ原合戦」(1600年)を描いた大作映画「関ヶ原」(原田眞人監督)の公開をきっかけに、徳島県内の書店などでは原作となった司馬遼太郎の同名小説(上中下巻・新潮文庫)を中心に関連本が人気を集めている。東西両軍を率いた徳川家康、石田三成をはじめ、戦国の終焉(しゅうえん)期に生き残りを懸けた武将たちの人間ドラマに、幅広い世代が関心を寄せているようだ。

 映画はシネマサンシャイン北島、イオンシネマ徳島で公開中。全国では公開2日間で約31万人を動員し、配給の東宝は30億円以上を最終目標に置く。

 県内8店舗を展開する平惣(本店阿南市)によると、司馬遼太郎の原作「関ヶ原」は映画公開の2週間ほど前から、通常の10倍のペースで売り上げが伸びたという。

 平惣小松島店(小松島市日開野町)は、相次ぎ出版される関連本を特設コーナーで紹介。「関ヶ原の戦い 東西名将読本」(宝島社)や「よくわかる関ヶ原」(英和出版)などが並ぶ。葉室麟、冲方丁ら人気作家によるオムニバス形式「決戦!関ヶ原」(講談社)が特に人気という。

 県内でレンタルDVD、書籍販売のTSUTAYAチェーンを統括するアビック(北島町)でも、各店舗で司馬本などの売り上げが伸びている。

 こうした歴史本ブームは、それまで注目度の低かった「応仁の乱」を取り上げてベストセラーとなった呉座勇一著「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」(中公新書)でも起きており、関係者は二匹目のどじょう狙いのそろばんをはじく。

 映画では全く描写されていないが、関ケ原の戦いは近世徳島の歴史にも大きく関わっている。

 当時阿波国の領主だった蜂須賀家政は、東西両軍から誘いをかけられて思い悩んだ末、領地を豊臣家に返上。自らは高野山に隠居し、15歳の長男至鎮(よししげ)をわずか18騎で東軍に参陣させた。戦後、その功が家康に認められ、改めて阿波国を与えられている。このため蜂須賀家では家政を「藩祖」、至鎮を「初代藩主」と呼び習わしてきた。

 戦国武将に詳しい四国大文学部の須藤茂樹教授(日本中近世史)は「蜂須賀家も存亡を懸け、関ケ原の戦いを巡る外交交渉などに奔走していた。蜂須賀家が時代の節目にどのように動いたかに思いをはせるのも、面白いのでは」と話している。