コロナ禍がついに降りかかってきた。7月31日のJリーグ公式PCR検査では陰性だったJ2徳島のMF藤原。2日午前の練習まで普段通りに参加した後、発熱を訴え、5日深夜に陽性判定を受けた。そこからクラブは他の選手らの検査を行うなど対応に追われ、結果として長崎戦の中止を免れた。

 ポルトガル1部・ポルティモネンセへの期限付き移籍から5月に復帰した藤原は規定上、今回の長崎戦から出場が可能だった。「徳島の昇格に貢献したい」。地元選手としてその思いは強く、クラブによると、基本的に練習以外は外出を控え、感染対策にも気をつけてきたという。

 他のメンバーも同様だ。一般人より高い意識を持って生活するプロ選手でさえ経路不明の感染に陥る怖さを痛感する。これまで感染者数の少なかった県内でもクラスター(感染者集団)が発生するなどにわかに深刻度を増している。

 リーグ再開に当たり、約2週間に1度の公式PCR検査で陽性者が出た場合の対応として、各チームGK1人を含む14人を登録できれば試合を開催するとの基準が定められた。通常は18人。徳島は全36選手を抱え、基準を満たしていることなどから試合は開催できると判断された。

 ただ、藤原と濃厚接触者2人、さらに判定不能者とその濃厚接触者は病院での経過観察や自宅待機となり、その中には選手も含まれるとみられる。選手の欠けた状態で連戦に臨むダメージは大きい。

 勝ち点1で運命が左右されるリーグ戦。これ以上感染者を出さないことが重要だが、その保証はない。「さらに感染症対策を強化し、周知・徹底を図る」(岸田社長)しかないだろう。

 公式PCR検査では結果判明までに時間を要し、試合直前に中止されたケースもある。Jリーグは迅速に結果が分かる検査方法の導入も検討している。選手や関係者や観客の安全を守りながらプロの興業を成立させる難しさを改めて感じている。