小松島市役所

 徳島県小松島市が7月に行っていた水道工事の入札2件を、落札者が決まっていたにもかかわらず中止にしていたことが分かった。最低制限価格を誤って計算していた。落札を取り消された業者は「前代未聞だ」と怒りをあらわにしている。市は市議会全員協議会で詳しい経緯を説明した。

 市などによると、対象の入札は和田島町松田新田の配水管を取り換える土木工事で、1工区と2工区に分けて公募した。このうち、2工区の最低制限価格を1430万2千円としなければならないのに、誤って1423万2千円と計算していた。

 最低制限価格は、土木工事と建築工事で算出方法が異なる。市は本来とは異なる建築工事として価格を決めてしまったという。7月31日に開札した後、今月6日に契約書類を確認した際にミスが発覚。2工区の入札中止を決めた。

 小松島市は一部の入札で、同種工事の落札者は同日開札される他の入札に参加できない「一抜け方式」を採用している。このため、2工区を1426万8千円で落札した市内の建設会社は、1工区の入札に参加できなかった。

 ミスがなければ2工区は別の業者が落札し、1工区の入札にはこの建設会社も加われた。このため、市は「参加者の誤りがあるため公平性が担保できない」として、最低制限価格が適切だった1工区も中止とした。

 1工区を1420万9千円で落札した市内の水道会社は、材料業者や建設機器レンタルなどの手配をしていたという。市から一方的に契約を破棄された男性経営者は「落札後に突然契約できないと言われても、到底納得できない。協力会社からの信頼も失った」と憤っている。

 市都市整備部の小林潤部長は「完全に市の不手際で申し訳ない。関係企業や市民に多大な迷惑を掛けた」と謝罪している。今後、中止によって被害を受けた企業の聞き取りを行い、損害を補償するとしている。

 一抜け方式 建設工事入札のうち▽開札日が同じ▽工期が重複している▽参加要件が同じ―などの条件を満たしている場合、比較的高額な工事を落札した会社が別の入札に参加できないことを定めた制度。特定の業者の過大受注を防ぐためで、地元業者の利用促進につながるとされる。小松島市の他に、徳島県や美馬市などでも採用している。