署員が密漁した明丸海岸=美波町山河内

 徳島県阿南市消防本部の20、30代の男性消防署員5人が、美波町山河内の明丸海岸で無断採取が禁止されている伊勢エビなどを密漁し、徳島海上保安部美波分室の事情聴取を受けたことが10日、関係者への取材で分かった。消防本部は11日に事実関係を記した5人の顚(てん)末書を市へ提出する。

 署員は同じ消防課に所属する業務主任1人と主事4人。全員が非番の7日朝から車2台に分乗して海岸に行き、素潜りで伊勢エビのほかサザエとトコブシを捕り、バーベキューをして食べた。採取用のもりも持参していたという。陸で見ていた海上保安官にその場で事情を聴かれた後、分室に移動して聴取を受けた。

 5人はその日のうちに電話で上司に報告し、翌8日に消防本部で詳しい経緯を説明。5人のうち4人は以前にも一度、明丸海岸へ一緒に行っていた。伊勢エビなどを捕ったのは今回が初めてと話している。

 5人は漁業法で規定された漁業権侵害(親告罪)に問われる可能性があり、徳島海保美波分室が任意で事情を聴いている。この海域で伊勢エビなどの漁業権を有する日和佐町漁協は刑事告訴する方針。

 消防本部は過去1年間に他の署員による密漁事案がないか内部調査を行う。中野貴裕消防長は「漁協に大変な迷惑を掛けて申し訳ない。捜査状況を踏まえ、署員の処分内容を決めたい」と話した。

 昨年8月には那賀町の消防署員4人が美波町沿岸でアワビなどを密漁し、主導した署員1人が減給3カ月の懲戒処分を受けている。