不戦の願いと出征兵の慰霊を胸に、軍服姿での黙とうを予定する村田さん=吉野川市

 徳島県吉野川市の旅館経営村田芳久さん(84)が終戦の日に欠かさず、自宅近くに建てた出征兵を供養する慰霊碑に線香を手向け、黙とうをささげている。戦後75年の節目となる15日は軍服姿で臨み、戦争で命を落とした兵たちの冥福を祈るとともに不戦を誓う。

 村田さんは1979年、県道神山川島線の交差点脇に慰霊碑を建立した。太平洋戦争中に旧東山村民(現吉野川市美郷)が総出で戦場に赴く兵士を見送った場所だ。当時7、8歳で国民学校に通っていた村田さんは「日の丸行進曲」を歌って小旗を振り、出征兵を見送った。

 碑には「国のため散りにし青春をおりおりに 帰り給えよこの桜路を」と自作の歌を刻んだ。建立から毎年2回、終戦の日と桜の咲く頃に黙とうをささげる。

 若者を戦地に送り出す家族の表情が忘れられないという村田さんは「あんなことは二度とあってはいけない。戦争を起こさないよう、これからの社会を担う人も努力してほしい」と語った。