13日に徳島県内で新型コロナウイルスの感染が発表された8人のうち、病院や特別養護老人ホームなどのスタッフや患者が6人を占めた。重症化しやすいとされる高齢者が多く利用しているだけに、関係者はPCR検査や消毒作業などに努めた。
20代男性理学療法士と80、90代の女性入院患者3人の感染が確認された徳島市万代町の田岡病院は210床あり、職員が約500人に上る地域の拠点病院。病院によると、最初に理学療法士の感染が確認され、12日午後から接触した医師や看護師、入院患者ら84人に独自でPCR検査を行った。陽性が分かった3人以外は、13日午後5時半時点で67人が陰性だったという。
病院は「院内で感染者が出たことを重く受け止めている。患者らに不安を与えないよう、ホームページで検査結果や病院独自の対策などの情報発信をしていきたい」としている。
感染した30代女性介護士が勤務している徳島市国府町の特別養護老人ホーム「ライム」には、入所者と職員が計約80人いる。13日に徳島保健所から指導を受けて対策を進め、来訪者に面会を控えてもらうよう求めた。職員と入所者のPCR検査は14日にも結果が発表される見通し。
石井町藍畑の小規模多機能型居宅介護事業所「希の里」は、60代男性職員の感染が確認された。高齢者約20人が利用登録し、職員16人が勤務する。
男性はデスクワーク中心で、机周辺と通路を重点的に消毒したほか、14、15両日に職員16人にPCR検査を行う。事業所は「宿泊サービスを維持する一方、病院への送迎や掃除などの訪問サービスを当面控える」としている。