衆院が28日に解散され、事実上の選挙戦に突入した。徳島県内の2小選挙区からは、自民党の前職2人と民進党系の元職1人、共産党の新人2人、政治団体の新人1人の計6人が立候補を予定している。民進党が新党「希望の党」との合流を決めるなど野党再編が加速する中で、選挙戦の構図と情勢も大きく変わる可能性がある。

 立候補を予定しているのは、徳島1区(徳島、小松島、阿南の3市と名東、名西、勝浦、那賀、海部各郡)が、後藤田正純(48・自民前)、仁木博文(51・民進系元)、山本千代子(68・共産新)の3氏。仁木氏は新党からの出馬の準備を進めている。

 徳島2区(鳴門、吉野川、阿波、美馬、三好の5市と板野、美馬、三好各郡)は、山口俊一(67・自民前)、久保孝之(53・共産新)、福山正敏(46・幸福実現新)の3氏。民進は候補者擁立を事実上、断念した。

 自民は公明との協力関係を維持し、前職2人の当選を狙う。教育無償化や社会保障制度の確立、北朝鮮への圧力路線の継続などを訴え、地盤固めを図る。

 民進は「安倍1強」体制の打破を掲げて新党に合流する。野党再編をてこに自公政権への対抗勢力を形成し、批判票の受け皿として支持拡大を目指す。

 共産は、解散・総選挙を「森友・加計学園問題の疑惑隠しだ」と批判し、安全保障関連法廃止や消費増税反対などを主張。幸福実現は国防力の強化などを訴える。

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 仁木氏、希望公認申請へ

 10月の衆院選に、徳島1区で民進党から出馬を予定していた元職の仁木博文氏は28日、新党「希望の党」からの立候補を決め、同党への公認申請に向けた手続きを進めていることを明らかにした。29日に開く民進党県連の幹事会で、経緯を説明する。

 仁木氏は、希望の党からの立候補を決めた理由について「1強多弱を打破するには、野党が連携して挑む必要がある。(両党が合流すれば二大政党による)政権選択選挙に持ち込めると判断した」と強調した。

 民進党が公認候補を擁立しない見通しとなったことや、原発ゼロなど、新党が掲げる主要政策の多くが自身の考えと一致していることも要因に挙げた。