徳島県は16日、徳島市の20~80代の男女4人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち3人は、12日に入院患者と理学療法士計4人の感染が確認された田岡病院(徳島市万代町)の入院患者や看護師ら。県は同市国府町の特別養護老人ホーム「ライム」のクラスター(感染者集団)が田岡病院に広がったとみている。一連のクラスターの規模は17人となった。県内で感染が確認されたのは13日連続で、累計90人。

 

 県によると、田岡病院関連で新たに陽性が判明したのは▽入院患者の徳島市の80代女性▽同市の20代女性看護師▽院内の清掃を行っていた同市の60代男性会社員。

 80代女性は、県内66~68例目として感染が確認された入院患者3人と同室だった。12日に受けたPCR検査では陰性だったものの、15日に38・5度の熱が出たため再検査した。女性看護師はこの病室を担当。マスクや手袋、フェースシールドを着け、患者の食事を介助したり体を拭いたりしていた。13日まで勤務し、同日の病院による検査では陰性だったが、14日に38・3度の発熱と頭痛の症状が出て再検査した。2人はいずれも軽症。県は女性看護師の濃厚接触者として家族2人の検査を行う。

 男性会社員も同じ病室を担当し、ごみの回収や洗面台の掃除などを行っていた。勤務中は小まめに手袋を替え、マスクは2枚重ねていた。無症状で、15日まで仕事していた。女性看護師と男性会社員は自転車で通勤し、自宅と勤務先以外に長時間滞在した立ち寄り先はないという。

 田岡病院関係の感染者は累計7人となった。飯泉嘉門知事は16日の会見で、「(入院患者の1人が入所していた)ライムから持ち込まれたのは明らか」として、関連クラスターに当たると説明。厚生労働省のクラスター対策班がライムと田岡病院に入り、調査をしていると明らかにした。

 県内初のクラスターとなった阿南市の通所介護施設を利用していた80代女性(79例目)の娘の60代女性=小松島市=の陽性も判明した。別の家族2人は陰性だった。

 県は▽阿南市の通所介護施設を利用していた70代女性(阿南市=80例目)の家族1人▽徳島バスの男性運転手(阿南市=82例目)の家族2人▽県立学校に通う男子生徒(徳島市=85例目)の親戚2人▽男子生徒が暮らしていた施設の入所者と職員計11人▽100代女性(83例目)が住んでいた徳島市のサービス付き高齢者住宅「阿波っ子」の入居者ら24人―がいずれも陰性だったと発表した。

 徳島市のホテル「東横イン徳島駅眉山口」で療養していた▽神山町の30代男性会社員(28例目)▽小松島市の20代女性会社員(33例目)▽徳島海上保安部(小松島市)の50代男性乗組員(43例目)と20代男性乗組員(44例目)が退所した。