徳島市など県内7市町村で育児支援を有償で担う徳島ファミリーサポートセンター(徳島市昭和町3)が10月から、病気中や、病気から回復期の子どもを一時的に預かる事業を始める。県内に13あるファミサポでは、板野郡5町で運営している板野東部ファミリーサポートセンター(藍住町奥野)が昨年10月に始めたのに続いて2例目。
病児・病後児の一時預かりは徳島市のほか小松島、勝浦、佐那河内、石井、神山、上勝の各市町村で実施する。対象は1~12歳で、育児援助を受けたい「依頼会員」になった上で利用の登録が必要。
何らかの病気になった際、まずはかかりつけの医療機関で診察を受けてもらい、医師から許可書が出た場合に限って、支援に当たる「提供会員」が自宅などで預かる。38度5分以上の高熱があったり、せきや嘔吐(おうと)がひどかったりする場合は預からない。
提供会員は8月末時点で933人所属しており、このうち病気の症状や薬の知識などに関する計7時間半の講習を受けた28人が事業を担う。料金は、平日の午前7時から午後9時までは1時間当たり800円、平日のそれ以外の時間帯や土日祝日は同900円。
徳島ファミサポは徳島市がほかの6市町村から負担金を集め、県勤労者福祉ネットワークに業務を委託している。依頼会員は8月末時点で1991人。本年度の委託費は2110万円で、このうち病児・病後児事業の関連経費として270万円を盛り込んだ。10月2日に入居する県労働福祉会館で業務開始式を行う。
病児・病後児預かりへのニーズは近年、女性の社会進出などに伴って高まっている。徳島市の担当課は「民間病院で行っている病児保育を補う事業と位置付けている。回復期で様子を見たい時や病院への送迎などに利用してもらいたい」としている。