夏の猛烈な暑さを吹っ飛ばす8月の「真夏のホラー祭り」第3弾は「エミリー・ローズ」(2005年、スコット・デリクソン監督、ジェニファー・カーペンターなど出演)だ。心身を悪魔に乗っ取られた「悪魔つき」を題材にしたオカルト作品に、法廷ドラマを融合。悪魔の実在を巡り、知的好奇心もくすぐる異色の切り口で展開していく。

(C)2005 SCREEN GEMS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 女子大生エミリーは幻覚や幻聴に襲われる。医療による回復が進まず、悪魔の仕業だと判断。地元教区の神父に助けを求めるが、悪魔払いを受けた末に死んでしまう。女弁護士エリンは、エミリーの死の責任を問われた神父を救うべく事件の経緯を調べ始める。

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 物語は実話を基にしている。1976年、悪魔つきと判断されたドイツ人少女が、悪魔払いの実行中に死亡した。儀式を行った神父がその責任を法廷で裁かれた事件である。

 法廷劇の焦点は、悪魔は存在したのか、あるいは悪魔つきは精神疾患の一種で医療による回復は可能だったのか。エミリーが死に至るまでの一部始終を、迫真のオカルト演出で描き出す。

 正統派の法廷劇が展開しつつも、巧みな心霊描写で恐怖もリアルに見せる。どちら側にも寄らない演出は、見ている側が持つ悪魔の存否を巡る信念を揺さぶってくる。エミリー役を演じるジェニファー・カーペンターの、本当に悪魔につかれたかのような鬼気迫る演技もそれに拍車をかけている。(記者A)

 【記者A】映像ソフト専門誌編集者、フリーの映画ライターを経て徳島新聞記者を務める。映画関連記事の編集や執筆、インタビュー、ロケ現場の取材などに長年携わり、1年間で365本鑑賞した年もあるなど、映画をこよなく愛する。

 

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