「二冠」と書かれた色紙を手に、笑顔を見せる藤井聡太新王位=20日、福岡市内のホテル

 将棋の第61期王位戦7番勝負(徳島新聞社など主催、伊藤園協賛)の第4局が20日、福岡市の大濠公園能楽堂で指し継がれ、午後4時59分、挑戦者の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)を80手で破り、4連勝で初の王位を獲得した。

 藤井新王位は18歳1カ月で棋聖と併せて二冠となり、羽生善治九段(49)が打ち立てた21歳11カ月の最年少二冠の記録を28年ぶりに更新した。タイトル通算2期の規定により、加藤一二三・九段(80)の18歳3カ月を上回る最年少八段昇段も果たした。

 最年少記録を次々に塗り替え、歴代1位の29連勝の記録も持つ藤井新王位は、詰め将棋で鍛えた終盤力に優れ、通算勝率は8割を超える。今年7月16日には史上最年少で初タイトルの棋聖を獲得していた。高校生棋士がわずか1カ月余りで二つのタイトル戦を制し、棋界の頂点に向けてさらに前進した。2020年度は残る王将を獲得すれば、三冠となる。

 今シリーズは、第1局で鋭い寄せを見せ、第2局は逆転勝利。第3、4局では鋭い攻めで会心の勝利を挙げた。

 木村前王位は前期、史上最年長での初タイトルとなる王位を獲得し「中年の星」とも呼ばれた。今期は初防衛を目指したが、1期で失冠した。

 持ち時間各8時間のうち残りは藤井1時間、木村34分。8月31日から予定されていた第5局の徳島対局は実現しなかった。

●いい経験できた

 藤井聡太新王位の話 内容的には押されていた将棋が多かったと思うので、4連勝は望外というか自分の実力以上の結果だった。(王位獲得は)まだあまり実感はないが、7番勝負でいい経験ができた。今後に生かせるよう引き続き頑張りたい。

 ふじい・そうた 2002年7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。16年10月、史上最年少の14歳2カ月でプロ入り。デビュー以来、公式戦29連勝を果たし、歴代1位を記録した。18年5月に七段昇段。朝日杯将棋オープン戦で18、19年に連覇。20年7月、第91期棋聖戦で渡辺明棋聖(当時)を破り、史上最年少の17歳11カ月で初タイトルを獲得した。