夏休み明けは全国的に子どもの自殺が増えるとされている。今年は新型コロナウイルス感染拡大を受けた長期休校や行事の中止・縮小、夏休み短縮などでストレスを抱える児童・生徒の増加が予想され、徳島県内の学校関係者は啓発を強めている。交友関係や学習面、家庭環境などの悩みを抱える若者に、徳島出身の著名人が自身の体験を交えてメッセージを寄せてくれた。

 

STU48・谷口茉妃菜さん

 同じ年頃の子どもがたくさん集まる学校では、スクールカースト(校内序列)のような力関係ができてしまいがちですよね。私の体験では思春期の中学時代が一番ひどくて、いじめのターゲットになる生徒が毎日のように変わる状態でした。

 私はばかばかしいと思って距離を置いていましたが、ちょっとしたことがきっかけで標的にされるようになって、上履きを片方だけ隠されたり、悪口を言われたりしていた時期があります。負けん気が強かったので相手にしませんでしたけど。

 私は当時からアイドルになりたいという目標を持っていたので、早く夢をかなえて、いじめのようなくだらないことをする人たちを見返したいという思いも支えになっていました。ただ、みんなが嫌がらせに耐えられるわけではないですよね。

 1人では耐えられないことでも、相談できる友達がいれば立ち向かえるかもしれません。私も、同じように嫌がらせの標的になった子と悩みを共有していました。いじめられている子を見掛けた人は、どうか声を掛けてあげてください。

 アイドルになる夢をかなえてからも、SNSなどで自分に対する心ない言葉を目にすることはあります。書き込む側は軽い気持ちなんだと思いますが、書かれた側は深く傷つきますし、忘れたくてもその言葉がずっと心に残ってしまいます。

 今年は新型コロナの影響で、STU48でも当たり前のように開催できていた公演などを開けない時期が長く続いていました。1人きりで家にこもっていると、普段は考えないようなことまで考えて気持ちが沈んだ時期もありました。

 「休みたいな」「何もしたくないな」と思った私は、とにかく自分が好きなことをしようと決めて、しばらく何もせずにのんびりと過ごすようにしました。そうすることで心が軽くなって、また前向きな気持ちになることができました。

 学校は人生で役立つことをたくさん教えてくれる大切な場所ですが、すごくつらいことや嫌なことがあった時に、自分の心と体を傷つけてまで行く必要はないはずです。ゆっくりと休むことで見えてくるものもあるのではないでしょうか。

 学校の人間関係が人生の全てでもありません。私もSTU48に入ってからたくさんの気の合う仲間と出会えました。学校のことやおうちのことで今悩んでいる人も、あなたを必要としている人はきっといます。周りに相談できる人がいなければ、私にしてください。私はあなたの味方です。

 たにぐち・まひな 2017年3月に瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」の1期生として加入。初のオリジナル曲「瀬戸内の声」などで選抜メンバー入り。20歳。徳島県出身。

 子どもの自殺 内閣府が2015年に発表した自殺対策白書によると、過去約40年間の18歳以下の日別自殺者数は9月1日が突出していた。原因・動機は、小中学生が家庭でのしつけや叱責(しっせき)、友達との不和、高校生は学業不振や進路に関する悩み、うつ病などが多く、長期休暇明けに大きなプレッシャーや精神的動揺が生じやすいと考えられている。徳島県内の20歳未満の自殺者数は15~19年に1~7人で推移しており、9月(速報値)は5年連続で0人だった。今年は7月末時点で4人となっている。

 【徳島県内の主な相談窓口】
 徳島県と県教委は、コロナ禍を受けて自殺予防などの啓発を強化し、さまざまな相談窓口を設置・紹介している。

 ・LINE
  「生徒の心の相談」(友達登録して利用)

 

  公立中高生ら対象
  来年3月24日までの午後6~9時

 ・電話
  チャイルドライン フリーダイヤル(0120)997777
  18歳以下対象
  年末年始除く午後4~9時

 ・その他の窓口一覧
  https://www.pref.tokushima.lg.jp/jisatsuyobou/soudanmadoguchi.html/