空飛ぶ車のイメージ図(山中助教提供)

 徳島大大学院社会産業理工学研究部の山中建二助教が、空を飛ぶ災害対応型電気自動車(EV)の開発を進めている。平時は陸上を走り、災害時は飛行して道路上の積雪や倒木、陥没地点などを避けながら、救助や物資運搬を行えるようにする。本年度に医歯薬学研究部の三宅一央助教と2人で研究に着手し、2022年3月ごろまでの完成を目指している。

 車は長さ3メートル、幅1・3メートル。車体の前後と4輪のホイール部分にプロペラが付いており、飛行時は4輪を水平に倒して、計6基のプロペラを電動モーターで回し、浮上させる。

 山中助教は車を設計・試作するほか、軽量で高出力のモーターを研究する。三宅助教は電気技術や3Dプリンターに詳しく、車体や緊急時の乗員保護システムの試作に携わる。来年1月ごろに無人での飛行試験を予定している。

 山中助教は17年度から電気自動車関連の研究に乗り出した。「いざというときに役立つものを作りたい」と18年度からは災害時に浸水地域などで使える水陸両用の電気自動車を試作。車内に水が入ったり沈んだりしないよう試行錯誤を重ね、今年3月、今切川で水上走行に成功した。

 当初は水に浮かせるのも難しいと思っていた水陸両用車の実現にめどが付いたことで、今度は車が宙に浮くかどうか計算。理論上は可能と確信し、本格的に研究することにした。

 今後、軽トラック型の水陸両用車の開発と並行して研究を進める予定。山中助教は「安全や技術面をクリアし、非常時に役に立てるよう完成させたい。県内の企業と一緒に空飛ぶ車の開発や製品化を進め、地域を活性化できれば」と話している。