オレンジ色の卵を産卵するエダミドリイシサンゴ=海陽町宍喰浦(竹ケ島海域公園自然再生協議会提供)

 徳島県や海陽町、地元漁協などでつくる竹ケ島海域公園自然再生協議会が、公園の海に群生するサンゴ「エダミドリイシ」の産卵の様子を初めて海中で撮影した。11月から同町宍喰浦の町海洋自然博物館マリンジャムで映像を一般公開する。専門家によると、エダミドリイシは国内で生息地が少なく、夜に潜水しなければ産卵は見られないため、貴重な映像という。

 エダミドリイシの美しさや生命の神秘を広く知ってもらおうと、毎年保全活動を行っている協議会が、神山町の映像製作会社「丸菱」に撮影を依頼した。8月19日夜にマリンジャムの職員や撮影スタッフら6人が海に潜り、サンゴから直径約0・5ミリの卵が無数に産まれる様子を見守った。

 高画質の4Kカメラで撮影しており、現在マリンジャムで改修工事を進めているシアタールームで11月上旬をめどに公開する。バーチャルリアリティー(VR)映像もあり、不定期で視聴体験イベントなどを開く。

 撮影した丸菱の石井友規社長は「海中で光をともすと卵が無数の星のように見え、まるで宇宙遊泳をしているような神秘的な映像が撮れた。ぜひ一度見てほしい」と話す。

 エダミドリイシは徳島県南部の他、和歌山県白浜や高知県土佐清水、千葉県館山などの本州中部に生息する暗緑色のサンゴ。温帯できれいな海によく見られ、毎年8月の新月の夜に多数のオレンジ色の卵を産むとされる。近年は地球温暖化の影響で、生息数が減っている。

 サンゴ研究家で「四国海と生き物研究室」(高知県)の岩瀬文人代表は「他のサンゴの産卵映像は多く撮影されているが、エダミドリイシの映像はおそらく世界初ではないか。詳しい生態が分かっていないため、貴重な資料になる」と話している。