NALUTO TRUNKS × Watanabe’s

 サーフィン用のトランクスを手掛ける徳島県鳴門市大麻町松村の「NALUTO TRUNKS(ナルトトランクス)」が、藍染のトランクスを作っている。「太陽に照らされたときの発色がすごくきれい。化学染料では出せない味がある」。自身もサーフィンをたしなむ社長の山口輝陽志さん(47)が笑顔を見せる。

NALUTO TRUNKS 山口輝陽志さん
 家業の水着縫製工場を23歳で継ぎ、サーフトランクスに特化したブランドを立ち上げた。東京のセレクトショップや愛用者から多くの注文が入る人気商品に育てた。「NALU」はハワイ語で波を意味する。

 トランクスは綿製で、職人が1着ずつ丹念に縫う。主流のナイロン製より丈夫なため何年も着用できる。「経年変化でジーンズのような味わいが楽しめる」と愛用者に好評だ。裏地には吸水速乾の高級ポリエステルを使い、はき心地にも気を配っている。

 染めたのは、上板町瀬部の藍染工房「Watanabe’s(ワタナベズ)」を営む渡邉健太さん(34)。自ら育てたタデアイから蒅をつくる藍師であり、伝統的な技法で藍を建てる染師でもある。町の地域おこし協力隊員だった2013年に山口さんと出会い、互いのモノづくりへの姿勢に共感した。

Watanabe’s 渡邉健太さん
 山形県出身。2012〜15年の協力隊時代に上板町の藍師新居修さんに藍の栽培や蒅づくりを教わった。協力隊仲間とともに藍師・染師のグループ「BUAISOU」を結成、18年に独立した。

 山口さんは「土から色をつくるナベちゃんの仕事に引かれた。藍の魅力を広める手伝いをしたかった」。藍染トランクスを製作し、15年に米ニューヨークの洋服店で開いた展示会で初披露した。これまでに作ったのは20種類を数える

藍染のトランクス。最新作はカリフォルニア州花・カリフォルニアポピーをイメージしたデザイン。受注生産で、1着3万5千円(税別)。問い合わせはNALUTO TRUNKS〈電088(689)0764〉。

 迷彩柄やボーダー、花柄など海でも街でもはけるカジュアルなデザインが受け、受注生産で千着近く販売した。「民芸品や芸術品ではなく、これからも普段使いできるデザインを目指す」と語る。

 
 

 渡邉さんは「山口さんが求める水準はいつも高く、試行錯誤の連続です」と笑う。温度や湿度によって染め方を変えるなど、妥協せずにベストの色を追究してきた。

 藍染トランクスは、そんな2人の手仕事から生まれている。

 

Studio N2

 ロードバイクに乗るとき、ヘルメットの下にかぶるサイクルキャップ。鳴門市撫養町小桑島の藍染工房「スタジオN2」が、機能性とファッション性を兼ね備えた藍染のサイクルキャップを売り出している。

愛用の自転車にまたがる根本弘之さん。鳴門や淡路島、剣山系などでサイクリングを楽しんでいる。スタジオN2〈電090(7787)7610〉

 N2は、イタリアのアパレルメーカーで服飾デザイナーとして12年半働いた経験を持つ根本弘之さん、ちとせさん=いずれも(56)=夫妻が経営している。自転車が趣味の弘之さんが半年前にキャップづくりを始め、染めから裁断、縫製までこなしている。

 キャップは5種類あり、渦潮をモチーフにしたデザインやロゴをあしらっている。登山やウオーキングに使う人もいて、「藍の消臭効果で汗臭くならない」との声も聞かれる。

むらくも柄のサイクルキャップ。つばにはイタリア語で自転車乗りを意味する「CICLISTA(チクリスタ)」のロゴをあしらった。伸縮性のあるジャージー素材で、優しい風合い。8千円(税別)。

 弘之さんは「品質のいい量産型のキャップもたくさんある中、手作りの品に愛着を持ってくれるお客さんに感謝したい」と話している。

キャンバス地で型崩れしにくく、普段使いできる。つばの内側は渦潮をイメージしてデザイン。8千円(税別)