体の冷やし方などに工夫が必要だと訴える湯浅副部長=県立中央病院

 新型コロナウイルスは熱中症と初期症状が似ているといわれる。見極めるポイントや、熱中症予防に配慮した感染対策などについて、徳島県立中央病院救急科の湯浅志乃副部長に聞いた。

 ―新型コロナと熱中症の症状の類似点と異なる点は。

 発熱や頭痛、倦怠感、吐き気などが共通する一方、新型コロナにはせきや息苦しさなど、何らかの「気道症状」がある場合が多い。熱中症の初期段階なら1、2日程度で症状は収まる。発熱や頭痛が何日も続くようなら、新型コロナなどの感染症を疑った方がいい。

 ―判断が難しい場合、どう対応すればいいか。

 熱中症なら速やかに体温を下げるのが大切だ。新型コロナの疑いが拭えない場合は、あおぐなど風を送らないようにする。飛沫などが空気中に拡散するからだ。太い血管の通る部分を冷やす方法がよく知られている。より効果が高いのは、体全体を冷やす方法。冷たいシャワーを掛け続けたり、全身を水に漬けたりするといい。意識状態が悪く自力で水分が取れない場合は、救急要請の必要がある。

 ―熱中症予防も兼ねた感染対策は。

 マスクは屋外で人との距離が2メートル以上ある場合などは外してもいい。マスクをしていると水分補給が少なくなりがちなので、喉の渇きを感じる前に水分や塩分をこまめに摂取するのも重要。冷房のために閉め切った室内ではエアコンの風の流れに注意し、せきの症状がある人や、大人数が風上にいるという状況を避けるべきだ。

 ―中央病院では、熱中症患者にどう対応しているのか。

 医療スタッフは万一に備え、感染防御装備を着けている。体温を下げる処置も、飛沫拡散防止のために専用扇風機は使わず、水風呂に体を浸す方法を取っている。人員が必要なので医療現場の負担は重くなっている。重症になると治療も長期化する。早めの相談を心掛けてほしい。

 ―県内で新型コロナの感染が拡大している。

 感染者が数人だった春先とは違い、患者が既に感染しているかもしれないという危機意識をより強く持たねばならない段階を迎えている。院内感染を防ぐためにも、感染対策を徹底してほしい。新型コロナに他の疾病が重なれば、重症化する恐れがある。インフルエンザや肺炎球菌のワクチンを接種するなど、秋冬への備えも進めてほしい。