秋祭りに向けて三番叟を練習する座員=3日、美波町の赤松基幹集落センター

秋祭りに向けて三番叟を練習する座員=3日、美波町の赤松基幹集落センター

 美波町赤松地区の住民でつくる人形浄瑠璃座「赤松座」が9日の赤松神社秋祭りで「三番叟(さんばそう)」を奉納する。かつて地区にあった人形浄瑠璃座が明治初期まで秋祭りに奉納していたが途絶え、地元の人形浄瑠璃座が秋祭りで舞を披露するのは約100年ぶり。伝統復活を目前に控え、稽古が熱を帯びている。

 赤松座は、地域の歴史や文化を継承しようと20~60代の男女14人で4月に結成された。三好市出身の人形遣い勘緑さん(62)=大阪市=を月1、2回招き、動きを教わっている。

 7月にあった赤松防災拠点施設の落成式で初舞台を踏んだが、町内外から見物客が訪れる秋祭りを「本番」と位置づけ、練習に力を入れている。3日には赤松基幹集落センターで本番前最後の合同練習を行った。当日まで各自が自主練習で腕を磨く。

 赤松座の谷﨑栄之代表(62)は「住民に練習の成果を見てもらい、楽しんでほしい。地域を支える活動にするため、来年以降も続けたい」と意欲を見せている。

 赤松神社の秋祭りは8日夜に町無形文化財「吹筒花火」が奉納され、9日正午に赤松座が本殿前で三番叟を舞う。