ナラ枯れが発生した可能性が高い眉山。8月なのに紅葉しているようだ=徳島市佐古山町

 近所の眉山で枯れ木が目立ち始めた。万緑の山が赤茶色に覆われるのではないかと心配だ―。徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」に、徳島市南佐古四番町の主婦(66)からこんな声が届いた。市と県に調べてもらうと、害虫による伝染病「ナラ枯れ」が発生した可能性が高いことが判明。確定すれば市内で初めてという。害虫が次々と移動して集団枯死が発生する恐れがあり、徳島県と市は月内にも本格的調査に乗り出す。

 徳島市佐古山町の眉山北側山麓を眺めると、異変が起きているのはすぐ分かった。葉が赤茶けた木の帯が数百メートルにわたってでき、周囲の緑とのコントラストが異様な雰囲気を醸し出している。徳島のシンボルである眉山がSOSを発しているようだった。

 市農林水産課によると、現場は佐古小学校(南佐古四番町)の南東約500メートルにある市上水道配管所近くの民有林。市と県が18日に立ち入り、シイやカシなど十数本の幹に穴が開いている状況と、ナラ枯れの病原菌「ナラ菌」を媒介するカシノナガキクイムシ(カシナガ)のふんと木くずが混ざった「フラス」が根元付近を中心に存在するのを確認した。

 県東部農林水産局林業振興担当の濵田浩二課長は「状況からしてナラ枯れによる被害でほぼ間違いないだろう」と話す。

 県と市は近く、穴から虫を採取してカシナガかどうかを確かめる。同時に眉山を含む市内山間部のパトロールを紅葉シーズンまで続け、実態把握に努める。

 拡大防除策としては、被害に遭った木を伐採して1本ずつ袋で包み、その中に薬剤を入れてカシナガを駆除する方法が一般的とされる。しかし、作業するのに困難な場所が多く労力がかかる上、薬剤費用も高いために抜本的な解決策はないという。

 被害が広がると、生態系への悪影響や倒木の危険が高まる。濵田課長は「民家の付近で赤く枯れた木を見たら、市や県に相談してほしい」と呼び掛けている。

 県内でのナラ枯れは2015年に美波、牟岐両町で初確認されて以降、阿南、鳴門両市、那賀町にも被害が広がっている。

 【ナラ枯れ】 体長約5ミリのカシノナガキクイムシが持ち込むカビの一種「ナラ菌」が樹木の通水機能を低下させ、木を枯死させる。広葉樹の幹で繁殖し、別の木へ移動を繰り返すことで被害が拡大する。樹木が枯死する前に赤茶に変色するため、景観の異変に気付きやすい。