気象の専門知識を生かして自治体の防災対応を支援する「気象防災アドバイザー」に、気象庁OBで気象予報士の楠木英典さん(62)=三好市池田町中西=が、県内で初めて認定された。アドバイザーは気象庁が昨年度に創設し、今年3月に全国で57人が誕生した。市町村での活用が広がれば、避難指示発令のタイミングを巡る判断ミスなどの解消に役立ちそうだ。
アドバイザーは、気象予報士か気象予報業務の経験者が対象。自治体の防災対応に関する知識があるため、市町村の災害対策本部で台風の進路などを解説したり、住民の防災意識を高めたりする役割が期待されている。
楠木さんは、2015年3月末までの37年間、西日本各地の気象台などで勤務。退職後に防災士の資格も取得している。
気象庁は16年度、モデル事業として気象予報士を一部自治体に派遣し、集中豪雨などの防災対応で成果を上げた。これを受け、気象予報士の活躍の場を広げようとアドバイザー制度を創設。全国から応募のあった130人の中から、書類選考や研修を経て楠木さんらを養成した。
活用を希望する全国の市町村に、気象庁がアドバイザーの実務経験や連絡先をまとめたリストを提供する。市町村とアドバイザーが個別に契約する仕組みで、それぞれの雇用期間や形態に縛りはない。