台風上陸に備え、事前放流が行われた長安口ダム=5日、那賀町長安

 台風10号による大雨に備えた利水ダムでの事前放流が、5、6両日に吉野川、那賀川両水系の5ダムで初めて行われた。

 ダムはいずれも発電用。国土交通省四国地方整備局や徳島県によると、吉野川水系では、祖谷川にある三縄、名頃の両ダム(三好市)が5日午前3~5時に実施し、三縄は1万5千立方メートル、名頃は8千立方メートルを流した。

 那賀川水系では、那賀川にある小見野々、川口の両ダム、大美谷川の大美谷ダム(いずれも那賀町)で5日午後5時から一斉に放流。6日午前までに小見野々で72万2千立方メートル、川口で11万1千立方メートル、大美谷で9千立方メートルを放流した。

 那賀川では以前から事前放流を行っている長安口ダムでも5、6両日、642万立方メートルを流した。長安口と同じ多目的ダムで、勝浦川にある正木ダムも6日に9時間50分かけて28万9千立方メートルを放流した。

 整備局は「いずれのダムも利水容量は回復しつつあり、現段階で水量が不足する可能性はない」としている。

 国は昨年の台風被害を教訓に、利水ダムの事前放流によって治水容量を一時的に増やす方針を決定。国交省と電力会社などが協定を結んだ。県内では吉野川、那賀川、勝浦川、福井川の各水系で協定が締結されている。