激しい雨の中、登校する小学生ら=7日午前8時10分ごろ、徳島駅前

暴風雨の中、登校する学生=7日、午前8時10分ごろ、徳島駅前

 台風10号が徳島県に最接近した7日、徳島市内の小学校では大雨の中でぬれながら登校した子どももいたようです。台風の危険性が事前に分かっていて、なぜその情報が生かされなかったのか本当に疑問―。小中学生の子どもを持つ徳島市の40代主婦からこんな内容の投稿が徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」に寄せられた。

 取材を進めると、臨時休校などの判断基準となる大雨警報が登校前に解除されたことで、徳島市立の45小中学校では学校ごとに対応が分かれた。半数近くが開始時間を遅らせ、残りは平常通りの授業を実施。命を守る行動が求められる中、基準を満たさないケースの判断の難しさが浮き彫りとなった。

 市教委によると、悪天候時の授業実施に対する判断基準は、毎年度当初にホームページや保護者への文書配布を通して周知している。現在は大雨、暴風などの警報が午前7時時点で発令されていれば、学校長が自宅待機や臨時休校を判断するとしている。

 徳島地方気象台によると台風10号は九州の西側を北上し、7日明け方ごろに徳島県に最接近した。午前5時すぎには警報基準を超す予報がなくなり、徳島市の大雨警報が解除された。ただ、その後も台風の影響で強い風雨をもたらす雨雲が断続的に流れ込んでいたという。

 各校は難しい判断を迫られた。県教委の午前8時半時点の集計では、徳島市立で30小学校のうち15校と、15中学校のうち6校が授業の開始時間を1時間半遅らせるなどの対応を取った。それ以外の学校は平常通り始業した。

 対応が分かれたのは、判断基準となる大雨警報が解除された後も強い雨や風が続いたためだ。

 市中心部の小学校では保護者から10件以上問い合わせがあったという。平常通り始業した学校では、ずぶぬれになって登校した児童もいた。

 始業時間を遅らせる措置を取った校長は「警報が解除されれば天気は回復に向かうはずだが、この日は風雨が依然強かった。子どもの安全を考え、近隣の小学校長と相談して保護者にメールで連絡した」と言う。

 別の小学校は判断基準に基づき、平常通り授業を開始。午前7時半ごろから正門で児童を出迎えた校長は「基本はマニュアル通りだが、この日の判断は甘い部分があった。状況によって柔軟に対応することも必要だ」と反省した。

 市教委は8日、警報発令時の措置について、改めて各校を通して文書で保護者に周知した。

 徳島地方気象台は「警報解除後も強い風雨への注意が必要と考え、周囲の気象状況も見ながら安全な行動を取ってほしい」と呼び掛けている。