徳島県内最大の公募展「第75回徳島県美術展(県展)」(県美術家協会、徳島新聞社など主催)が中止されることが決まった。県内で8月以降に新型コロナウイルスの感染者が急増しており、リスクが高いと判断した。1946年に始まり74年の歴史がある県展が開催されないのは初めて。節目となる75回展は2021年に行う予定だ。

 県展は現在、7部門(日本画、洋画、写真、彫刻、美術工芸、書道、デザイン)で開かれており、昨年の74回展では984人の1829作品が出品された。このうち入選以上の788点と無審査の115点が展示された。

 今年は、感染拡大を防止するため、従来の公開審査を行わず、非公開審査を予定していた。ただ、このほど開かれた県展運営委員会では「受け付け時や搬入・搬出時に密集や密接が起こることが予想される」「運営を支えるスタッフにも感染リスクがある」「県内最大の公募展であり、十分なコロナ対策が取れない」などの意見が相次いだ。8月以降、県内の感染者が急増したこともあり、主催者間で協議し中止を決定した。

 県美術家協会の松永勉会長は「歴史のある県展なので、途切れるのは非常に残念。安全対策を徹底して何とか開催できないかとぎりぎりまで模索したが、制作者やスタッフ、鑑賞者全てのリスクを考え、中止を決定した。次回の開催や県展の未来につなげるためだと考えたい」と話した。

 第75回展は10月9~28日、徳島市のあわぎんホールで3期に分けて開かれる予定だった。9月27日と10月3、4日に県外審査員による審査が行われることになっていた。

 75回展の新たな試みとして公募された現代アート部門は、近く書類審査を行うが、入選以上を集めて行う展示審査や展覧会の会期は、来年の春以降に延期される予定だ。

 一方、県展会期中に行われる予定だった第16回徳島県こども美術展(こども県展)は、あわぎんホールでの展示を行わず、ウェブサイトで公開するオンライン展覧会とすることも決まった。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため。審査は近く行われる。