新ホールを「県立ホール」として県に整備を申し入れる考えを表明した内藤市長=徳島市議会本会議場

市文化センター跡地の写真奥に見えるのがとくぎんトモニプラザ(県青少年センター)=徳島市徳島町城内

市文化センター跡地の写真奥に見えるのがとくぎんトモニプラザ(県青少年センター)=徳島市徳島町城内

市文化センター跡地の写真奥に見えるのがとくぎんトモニプラザ(県青少年センター)=徳島市徳島町城内

 徳島市の内藤佐和子市長は10日開会した市議会9月定例会の所信表明で、市文化センター跡地に建設予定の新ホールについて、文化センター跡地と南側のとくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)の土地を一体化し、県立ホールとして整備するよう飯泉嘉門知事に協力を申し入れる方針を明らかにした。11日に県庁を訪れ、知事に直接要請する。市長は報道陣の取材に対し、県市間の協議が中断している状況などから、前計画で予定していた2023年度中の開館は困難との見方を示した。 

 市長は、市民や文化団体が早期の整備を求めているほか、鳴門市文化会館が21年4月に耐震工事で休館すると県内で千席以上の公共ホールがなくなる問題を指摘。市の厳しい財政状況も踏まえ、「1日も早く整備を進めるため、県の理解を得た上で、これまでの発想を大胆に転換し、実現への道筋を付ける必要がある」と述べた。

 文化センター跡地にある県有地について、市が所有権を主張していた点に関しては「可能な限りの調査に努めたが、(県有地という)現状の名義に異を唱えるに足る、明白かつ決定的な証拠は得られなかった」と強調。県立ホール整備を要請する前提として、県有地の名義変更は求めない考えを示した上で「市有地の提供も含めてホール整備の一部を負担し、県青少年センターの機能移転に最大限の協力を行うことを提案したい」とした。

 県有地を巡っては、3月に遠藤彰良前市長が「過去の資料では市有地なのに、市に譲渡されていない」と主張。市有地との交換協議をやめ、登記名義を市に変更するよう求める文書を県に送ったが、県は受理しなかった。

 新ホールは当初の計画では23年度中の開館を目指していた。市長は本会議終了後、報道陣の取材に「県との協議が(中断して)進んでおらず、23年度中に開館できる状態でない。(開館時期は)協議が再開しないと何とも言えない」と話した。

 内藤氏は4月5日に投開票された市長選で県市協調を訴え、県立ホールを選択肢の一つに挙げた。知事は投開票日の2日前の記者会見で内藤氏のこの考えについて問われ、「例えば、土地(市有地)を全部県に差し出す代わりに(県が)上物を建てる、という形はあると思う」と述べていた。

 県県民文化課の加藤幸一課長は「詳しい内容はまだ聞いていないが、前向きな話ではないか。引き受けることになれば、精いっぱい取り組みたい」と話した。