南方に生息するトンボ「スナアカネ」が阿南市内に飛来しているのを、日本トンボ学会員の吉田一夫さん(61)=阿波市市場町=が発見した。徳島県内で確認されたのは初めてという。
9日、阿南市沿岸部の田園地帯で、体長4センチほどの雄1匹が水田の枯れ茎に止まっているのを写真に収めた。同日、少なくとも雄4匹を確認した。雌は見当たらなかった。
スナアカネは中東やインドなどに生息し、胴体が朱色で、複眼の下部が水色がかっているのが特徴。日本で確認されるのは9~11月が多く、南方から季節風に乗って飛来するとみられている。
吉田さんは5年ほど前から毎年秋になるとスナアカネを探していた。今年9月に台風18号が日本列島を縦断した後、高知、愛媛両県で見つかったと知り、徳島県南の沿岸部を中心に探していた。
吉田さんは「予想した場所で撮影に成功できてよかった」と話している。