ズームでの出演も交えて受賞作について語る記念文学トーク=徳島市の新聞放送会館

 全国公募の掌編小説コンクール「第3回阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式が行われた12日、徳島市の新聞放送会館で受賞者や芥川賞作家らによる文学トークがあり、受賞作について意見を交わした。

 受賞者の蕪木Q平さんと三浦みなみさんに加え、最終選考委員で芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さん、2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんがビデオ会議システム「Zoom」で参加。会場にいた受賞者のなかむらあゆみさんと、進行を務めた徳島文学協会の佐々木義登会長、徳島新聞社の岡本光雄理事と共に今年の文学賞を振り返った。

 吉村さんは「小山田さんが加わり、作品・審査ともにレベルが一段上がった」と総評。大賞の阿波しらさぎ文学賞に選んだ蕪木さんの作品を「子どもの視点で世界を捉えた描写に、殴られるような衝撃を受けた。翻訳して海外で発表すれば、現在の日本のメンタリティーを伝える世界文学になる」と絶賛した。

 徳島新聞賞となった、なかむらさんの「檻」を選考会で強く推した小山田さんは「巧みな作品。複雑な内容を面白く鮮やかに書き切った」と評した。凪良さんは、25歳以下から選ばれる徳島文学協会賞の三浦さんの作品を「品よく仕上がっており、年齢からは想像できない書きぶり」と述べた。

 約60人が耳を傾け、第1回から2年連続で徳島文学協会賞を受けた宮月中さん(26)=徳島市、徳島大大学院生=は「創作の裏話も聞けて興味深かった。次回の応募に向けて、ヒントとモチベーションが得られた」と話した。