剣山へ向かう国道438号を走行すると、山奥の景観に突如、大きな建物が出現する。1971年に完成した一宇中学校校舎跡だ。

 

  低空60メートルからドローンで見た。地上5階地下1階建ての堂々たるたたずまいは、黒ずんだコンクリート部分とも相まって長崎の「軍艦島」をほうふつとさせる。2010年3月に休校となったが、ピークの1965年には生徒653人が在籍。一宇村だったころ、同校に幼、小、中、高の児童生徒ら村民の多くが集まって連合運動会も開催された。

 

 徳島県つるぎ町教育委員会によると教室にはロッカーや机、黒板の落書きが当時のまま残されている。清流の川べりで郷愁も誘う建物には、かつて多くの子どもたちを支え、見守った強さをまだ宿しているように見えた。※特別な許可を得て撮影しています。