徳島駅クレメントプラザ地下1階の飲食店街「徳島駅バル横丁」の営業店が新型コロナウイルスの影響で当初の半数以下に減り、複数の店をはしごする楽しみを味わえなくなった利用客から残念がる声が上がっている。駅周辺はそごう徳島店の閉店もあり、にぎわいづくりが喫緊の課題。コロナ禍(か)にあえぐ中、駅バル横丁やプラザでは営業再開や新規出店に向けた動きも出ており、関係者は活気を取り戻そうと懸命に取り組んでいる。

営業店が半数以下になった徳島駅バル横丁。人通りは少ない=徳島駅クレメントプラザ地下1階

 駅バル横丁は2018年8月、アルコールを提供する8店で開業した。オープン当初から会社員や観光客らが連日詰め掛け、空席待ちとなる店も複数あった。

 しかし、コロナの感染拡大による営業悪化で休業店が続出。7月末のイタリアン酒場に続き、8月末にはステーキチェーン「いきなり!ステーキ」が閉店し、営業店は3店に減った。今ではプラザが閉まる3時間前の午後8時を過ぎると、客はほぼいない状況だ。

 営業を続ける居酒屋「酒とめし 酒場 ダン」は、売り上げが前年に比べて約7割も減った。藤木慎二総料理長(47)は「弁当の販売を始めてようやくこの数字。稼ぎ時が夜から昼に移り、閉店時間を早める日も少なくない」と言う。人件費を抑えるため、料理人が注文を聞いたり、接客係が洗い場に立ったりしている。

 「隣の店から聞こえてくる『いらっしゃい』『ありがとう』の掛け声に元気をもらい、うちにも来てくれないかと期待が膨らんだ」と、藤木総料理長はコロナ禍前を振り返る。店の明かりが減った横丁フロアに目をやり、「はしご酒を武器に『よーいどん』で8店が切磋琢磨(せっさたくま)してきた。こんな光景は本当に寂しい」とつぶやいた。

 ダンで飲食していた吉野川市の男性(56)は「閉まった店の方が多く、バルに活気がないのに驚いた。特急列車で張り切って来たのに、ちょい飲みができそうにない」と残念がった。

 プラザの原田宏樹館長(46)は、客足が戻らない理由について「イベントや会合、飲み会などの自粛ムードが続いている上、徳島駅前はそごうの閉店も影響している」と指摘する。

 逆境の中、光も差し込みつつある。そごう徳島店に入っていた回転焼き店と婦人服の計3店がプラザに移転。駅バル横丁では休業していた2店が9月中に営業を再開するほか、他にも新規出店の動きがあり、年内には10店まで増える見通しだ。

 藤木総料理長も新たにすし店を11月にオープンさせる予定で、「そごうを失った後は、バルやプラザが一丸となって頑張らないといけない」。原田館長は「魅力あるビルにしてお客さんを呼び戻し、徳島駅前を活気づかせたい」と話した。