暴風雨の中、登校する学生=7日、午前8時10分ごろ、徳島駅前

 台風10号が徳島県に最接近した7日の徳島市の小中学校の対応について、9日付の徳島新聞が報じたところ、阿南市の男性から「他の自治体も調べてほしい」との依頼が「あなたとともに~こちら特報班」に届いた。取材してみると、三好市や松茂町など6市町の24校で、臨時休校などの対応を取るべき基準には該当しない状況だったものの「登校は危険」と判断し、臨時休校や自宅待機の措置を取っていた。専門家はそうした対応を評価し、「マニュアルにとらわれない高い危機意識と知識が一層重要になっている」と指摘する。

 悪天候時に臨時休校などを判断する基準は、警報発令の有無や解除時間、気象状況などを基に市町村によって異なり、7日の対応はさまざまだった。多くの自治体が基準に従い登校させるか臨時休校にするかを判断した一方で、基準に該当しないものの、独自の判断で臨時休校などを決めた自治体や学校もあった。

 県教委のまとめ(午前8時半時点)によると、臨時休校を決めたのは吉野川、那賀など9市町村の30小学校と、三好、勝浦など6市町村の7中学校。このうち松茂、藍住、上板3町の教育委員会は、判断基準となる暴風警報や大雨洪水警報は出ていなかったが、登校時間前に15の全小中学校の休校を決定。同様に三好市では山間部の4小中学校が土砂災害の危険性を懸念して休校措置を取った。

 松茂町教委の担当者は「朝から強い風雨が続いており、児童生徒の通学は危ないと判断した」と説明。三好市西部の小学校長は「原則として大雨警報では臨時休校としないが、通学路で倒木が確認され、落石や土砂崩れの恐れもあって危険だった」と振り返る。

 自宅待機にしたのは、吉野川市や美波町など5市町の15小中学校で、牟岐、美波両町を除く3市町の10校は対応基準に従いそのまま休校にした。牟岐、美波両町の5小中学校は平常通りの登校となるはずだったが、美波町は風が強かったためそのまま休校とし、牟岐町は風雨が弱まるまで授業を約3時間遅らせた。

 鳴門教育大大学院の阪根健二特命教授(学校危機管理)は「近年は天候の急変など、過去に例のないような気象現象が増えている。命を預かる学校では警報の有無に関係なく、現場の状況を的確に判断し、柔軟に対応する力が必要だ」と話す。