発熱や風邪症状がある患者用に設けた診察室=徳島市国府町のたかはし内科

 徳島県内で新型コロナウイルスの感染が拡大しているのに伴い、発熱や風邪の症状が現れて感染を心配し、一般の医療機関を受診する人が増えている。病院スタッフは他の患者との接触を防ぐ対応や消毒・換気作業に追われるほか、防護服を脱ぎ着する必要もあるため、通常の診察に支障が出ているケースもある。医師らは感染リスクと隣り合わせの不安も抱えながら、患者と向き合っている。

 徳島市国府町観音寺のたかはし内科では発熱や咳、鼻水などの症状があって感染が疑われる患者が7月ごろから増え始め、1日に5人前後が来院している。

 他の患者と同室にならないよう、院内に入る前に電話連絡を義務付け、一般の診療とは異なる入り口と通路、診察室を設置。患者が退室後、消毒して15分間換気する。一般患者も並行して受け付け順に診察しており、熱などのある患者が増えれば全体の待ち時間は長くなる。

 高橋安毅院長(60)は「院内に入ってから発熱などの症状を訴えられると現場が混乱する恐れがある。事前連絡の厳守と、マスク着用による周囲への配慮を徹底してほしい」と呼び掛ける。

 徳島市城南町4のくどう内科クリニックでは、感染を心配する患者の受診や相談が8月から増えた。例年なら病院に行かずに風邪を治す軽度の症状の人の来院が目立つという。

 こうした患者用の部屋はなく、動線も一般患者と分けられない。このため電話での問診後、車内で待機してもらい、他の患者がいなくなったら迅速に入室してもらう。ガウンやゴーグルなどの防護品を身に着けて診察しているものの、この対応に単なる風邪だと思って受診した人が怒り出すケースがあったという。

 工藤美千代院長(57)は「うつらないかと緊張する。本音を言うと、危ない橋は渡りたくはないけど、使命感から患者と向き合っている」と打ち明ける。

 県内の開業医らでつくる県保険医協会(徳島市)には連日、感染疑いのある患者への対応や悩みなどの相談が寄せられている。

 熱などの症状が出た場合、県はすぐに医療機関を受診せず、県内6保健所にある帰国者・接触者相談センターに電話するよう勧めている。センターへの相談件数は7月下旬から急増し、ほぼ連日100件を超えている。