傷んだ野球の硬式ボールを修理する施設利用者=鳴門市撫養町の障害者就労センター「たなごころ」

 徳島県鳴門市撫養町の障害者就労センター「たなごころ」が、県内の高校野球部で使い込まれて傷んだ硬球を修理し、再び球児の元へ届けている。これまでに県内8校の約2000球を直してグラウンドに送り出した。高校側からは「球児の物を大切にする気持ちが養える」と歓迎されている。

 たなごころは鳴門市のNPO法人「山の薬剤師たち」が運営。徳島市の障害者施設で硬球の修理に携わった経験のある職員が発案し、高校野球部に呼び掛けて昨年2月から取り組み始めた。センター利用者5人で作業を分担。古くなった革をはぎ、綿糸を巻き直して規定の大きさにそろえ、新しい革を縫い合わせている。

 針で指を刺してしまうといった苦労もあるが、球児に喜んでもらえる仕事とあって、利用者は意欲的に取り組み、1日8個ほどを仕上げている。

 革の張り替えは1球300円、糸のほつれ修理は100円で請け負う。これまでに阿南光、鳴門、徳島商業、徳島北、板野、名西、川島、生光の各高校からボールを預かって直した。高校からは「部員に作業を見学させたい」との要望が寄せられている。

 作業に当たる5人は、各校の試合結果をテレビや新聞でチェック。石井町石井の二村香織さん(27)は「とてもやりがいがある。球児が頑張っている姿を見るとうれしくなる」と言う。

 施設の福池伊津子管理者は「社会のためになっていると実感できる。今年はかなわなかったが、球児が甲子園で活躍する姿を楽しみにしている」と話している。