18日午後7時、徳島県庁本庁舎のライトアップの色が黄から青に変わった。新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向になったのを受け、県が発令していた「とくしまアラート」が解除された。青色に戻るのは8月1日以来48日ぶりだ。

とくしまアラートが解除され48日ぶりにライトアップが青色となった県庁=18日

 

 アラートは、緊急事態宣言が全国で解除された5月下旬、感染再拡大に備えて対応を判断する基準として設けた。政府の専門家会議が示した「特定警戒」「感染拡大注意」「感染観察」に、「徳島ならではの区分」(飯泉嘉門知事)として「感染観察強化」を加え、4段階の区分でスタートした。

 7月7日に県内初の感染経路不明者が出ると、県は専門家会議の意見を踏まえてアラートの前段階として「注意報」を追加。翌日に発令した。知事は会見で「(県民に)注意はしていただくものの、行動変容を促すものではない」と説明した。

 ただ、県民からは「緊迫度が伝わらない」「何をどうすればいいのか」などと戸惑いの声が上がった。知事は30日の会見で「警報(アラート)の中での注意報は分かりづらい。専門家会議でもこうした指摘があった」と認め、「感染観察注意」との名称に改めた。

 7月下旬から新規感染者数が急増し、8月2日にはとくしまアラートの「感染観察強化」を初めて発令。3日後に阿南市の通所介護施設で県内初のクラスター(感染者集団)が発生し、アラートの上から2番目に当たる「感染拡大注意」に引き上げた。

 県民への協力要請は▽飲食店を利用する場合は感染予防ガイドラインの実践状況を確認する▽会食の場では大声で会話をしない▽感染拡大地域への訪問自粛―など。1週間に2段階の引き上げとなったが、引き上げ前と比べて目立った変化はなかった。

 アラートの対応方針で示していた「外出自粛の協力要請」「クラスターの恐れがある施設の使用制限」といった強制力を伴う要請は、「市中感染が起きていない」(知事)との理由から見送った。知事は感染対策と社会経済活動の両立を掲げ、従来通り、人と人との距離の確保や手洗いを基本とする「新しい生活様式」「ウィズ・コロナ」を繰り返し求めた。

 7月下旬に感染者が急増した沖縄や岐阜は、それぞれ独自の緊急事態宣言を出した。徳島より感染者数が桁違いに多いという事情はあるものの、県民に危機感を伝えようとする姿勢は明確だった。

 とくしまアラートを発令した8月2日以降、徳島県内では四つのクラスターが発生。9月18日に解除されるまでに120人の感染が確認された。発令による注意喚起は十分に機能したのだろうか。

 徳島大の湯浅恭史助教(危機管理学)は「手厚く情報発信しようとする姿勢は見られるものの、一方通行になっていないか。リスクコミュニケーションは双方向で行うべきもの。例えば、県民の疑問に答える一問一答をホームページに設けるなど、行政の押し付けにならない仕組みづくりも必要だ」と述べた。