睡眠は子どもの成長に影響しますが、病気による症状も睡眠の良否に大きな影響を及ぼします。これは睡眠と覚醒では生理的な背景が異なるためで、良い睡眠がとれることは、すなわち健康な状態であると言えます。

 夜間睡眠によって症状が悪化する病気の代表にアレルギー性鼻炎や気管支喘息があります。これらの疾患は昼間にも症状がありますが、夜間に症状が悪化する傾向があります。

 アレルギー性鼻炎では鼻閉によって、気管支喘息では咳や喘鳴のために呼吸困難が起こり、そのために睡眠が妨げられます。

 夜間睡眠中に呼吸器症状が悪化するのは、睡眠中の自律神経の変化と内分泌系の日内変動が関係しています。睡眠中には副交感神経優位となり、活動中に増加するカテコールアミンが減少します。また副腎皮質ホルモンのコーチゾールの分泌も夜間、特に早朝覚醒前に最も低下します。

 カテコールアミンは血管収縮に働き、鼻閉を改善し、コーチゾールは炎症性サイトカインを抑制して喘息や鼻炎のアレルギー性の慢性炎症を改善します。カテコールアミンやコーチゾールは睡眠中に低下しますからアレルギー症状が悪化するのです。

 鼻炎や喘息のために呼吸困難があって睡眠が妨げられると、睡眠中にも拘らずにカテコールアミンやコーチゾールの分泌が増加して、眠りが浅くなって十分な休息が取れなくなります。昼間いくら元気があっても夜間の症状が残っている間はアレルギー症状がコントロールされた訳ではありません。良い睡眠が取れるようにアレルギー疾患の治療を継続する必要があります。