後半16分、先制ゴールを決める徳島の清武(左)=鳴門ポカリスエットスタジアム

後半、前線で競り合う徳島のジエゴ(手前)

 26日の明治安田J2第22節第1日で、徳島ヴォルティスは鳴門ポカリスエットスタジアムで松本と対戦し、1ー1で引き分けた。通算成績は13勝5分け4敗。勝ち点44で北九州と並び、得失点差で暫定首位に浮上した。甲府は新潟と引き分け、大宮に敗れた京都に代わって5位に上がった。次節の徳島は30日午後7時から、長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で長崎と対戦する。

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 [評]徳島はCKから奪った1点を守り切れず、PKを与えて追い付かれた。前半立ち上がりは前からのプレスが厳しく、中央を固める松本の守備に苦しんだ。後半、MFの渡井や藤田らを投入してペースをつかみ、16分に右CKからのこぼれ球をMF清武が右足で押し込んで先制。しかし、そこから松本が攻勢を強め、29分にペナルティーエリア内でFWを倒し、PKで痛恨の失点。DFジエゴのロングスローからチャンスを築くなど最後まで攻め込んだが3連勝はならなかった。

 徳島・ロドリゲス監督 簡単ではない試合だった。松本はけがから復帰したDFもいて守備が堅かった。PKからの失点は悔やまれるが、あまり出ていなかった選手が活躍したのは良かった。

 松本・柴田監督 監督が代わるというショッキングな出来事から時間がたっていない中、心を一つに120パーセント以上の力で戦い、勝ち点1を取った選手に感謝している。

 清武先制弾、控え組が活躍

 悠々と前に向いて歩いていたのに、後ろからぐっと肩をつかまれた。そんな印象の後半初戦となった。前半を2位で折り返した徳島と、1年でのJ1復帰を目指しながらも20位に低迷する松本。監督解任という劇薬を投じられた松本勢は前節6失点したとは思えない出足の鋭さを見せ、徳島のサッカーを窮屈にした。

 「受け身に回ってはいけない」(MF清武)。監督が代わり、新たな姿を見せるであろう相手を十分に警戒していた。ただ、徳島対策として守備時に5バックとなる新たなシステムを断行した松本の堅い守りを突き崩せない。前半半ばまではボール保持率も下回り、ペースをつかめなかった。

 こんな時、効き目があるのがセットプレー。後半16分、右CKからゴール前で混戦となり、清武が右足で押し込んで均衡を破った。「プラン通りに福岡が競り落とした後、こぼれ球に素早く反応できた」と清武。今季、得点の約3分の1を占めるセットプレーが苦境を救った。

 5連戦の3戦目であることから先発を7人入れ替えた。2カ月ぶりに先発した清武は今季2点目を決め、開幕戦以来7カ月ぶりとなったMF浜下は切れ味鋭く前線を駆けた。出場3戦目のDFジエゴはロングスローでチャンスメーク。連係の甘さを感じさせるシーンもあったが、選手が入れ替わっても徳島のサッカーにぶれはなかった。

 しかし、勝ち切れずに終了の笛。スタンドからはため息が漏れた。「悔しい思いを抱えながらも練習に励み、つかんだチャンス。だからこそ勝ちたかった」。5試合ぶりに先発したMF梶川が控え組の思いを代弁する。一方で「特長のある(控え組の)選手がいつ必要とされるか分からない。やり続けるしかない」ときっぱり。例のない過密日程の今季。全員の力が必要となる後半戦、各自がひたむきに自らを高め続ける。