徳島県と電子書籍取次大手の「メディアドゥ」(東京)は24日、知事の定例記者会見を音声認識システムで聞き取り、人工知能(AI)が要約する実証実験を始めると発表した。要約は会見当日の午後2時をめどに専用サイトに掲載する。行政文書を迅速に発信できるようにするのが狙いで、30日の定例会見から実施する。
実験は、メディアドゥが提携するAIベンチャー企業の「エーアイスクエア」(東京)の技術などを活用。知事の話した言葉を文字に置き換えて画面上に自動で表示し、誤りは県職員が修正して文章化する。文字起こし作業は従来の5分の1の時間に短縮される。
専用サイトでは、発表全文に対する文字量の割合を10~90%の範囲で閲覧者が自由に設定でき、閲覧者が選んだ文字量の割合に応じてAIが表示する。
来年1月からは、県の審議会の会議録の要約も始める。24日、県庁で会見した那賀町出身の藤田恭嗣(やすし)社長(44)は「実験を通じて、AIによる要約サービスを身近に感じてもらえれば」。飯泉嘉門知事は「業務の効率化は働き方改革につながる。県民に行政の情報をもっと見てもらうきっかけになれば」と話した。