徳島県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されているクマガイソウが、那賀町坂州の山林で見頃を迎えている。
クマガイソウは、ラン科アツモリソウ属の多年草で、高さ20~30センチ。白に赤紫が混じった8センチ程度の袋状の花を付ける。花の形が平家物語に登場する源氏の武将、熊谷直実が背負った母衣(ほろ)に似ていることから名付けられたという。
山林を所有する梅平少一さん(68)=同町坂州=が35年ほど前から、シカの食害から守る防護ネットを張ったり、下草を刈ったりして保護してきた。少しずつ増えて、約30平方メートルの敷地に千株余りが群生している。
今年は気温の高い日が続いたため、例年に比べ1週間ほど早い開花となった。見頃は連休明けごろまで。