一宮城跡保勝会が作った4種類の御城印。(右上から反時計回りに)黄の家紋をあしらった春季版、緑の夏季版、朱の秋季版、水色の冬季版

 徳島市一宮町の県指定史跡・一宮城跡の保全活動に取り組む住民団体「一宮城跡保勝会」が、登城の記念品「御城印(ごじょういん)」を作った。全国の収集家が訪れるきっかけにして登城者増加と知名度アップを図り、収益を登山道の整備に充てる。

 縦約15センチ、横約10センチで、保勝会の依頼を受けた地元の書家児島尚山(しょうざん)さん(79)=同市、元教員=が「阿波国 一宮城」と揮毫(きごう)し、和紙に印刷。背景に城主だった一宮氏と長宗我部氏、蜂須賀氏の家紋を配した。

 季節ごとにデザインを変え、家紋の色を春は黄、夏は緑、秋は朱、冬は水色に、書体もそれぞれ草書体、隷書体、行書体、楷書体とする。登山道の入り口に御城印の収納箱を兼ねた料金箱を置き、9月1日から無人販売している。1枚300円。

 御城印は登城記念品として全国各地で販売されており、愛好家の間で収集熱が高まっているが、県内にはない。保勝会は収益をほうきや鎌、シャベルなど登山道の保全に必要な用具の購入に充てる。

 市村治会長(71)は「立派に仕上がってうれしい。一宮城を訪れ、山城ならではの築城の工夫や優れた眺望を知ってもらいたい」とほほ笑む。児島さんは「訪れた人の思い出になれば何より。一度だけでなく、四季折々何度でも来てもらえたら」と話している。